耕一は、わずかな間に・・・
複雑な人間関係が、絡み合い始めた事を感じざる終えなかった・・・
本多女史とのこと・・・UP-RISEなる意味不明なグループ・・・HJPの水谷氏からの依頼・・・
耕一は、頭の中を整理することを自分に課し、常に幾つかの顔を持てるよう努力するようになっていた。
朝、起きてから寝るまでの間に、常に多くの人間と接し、単なる挨拶ではない、それぞれの会話をし、また食事もし、・・・緊張感がある時間があっという間に過ぎた。耕一は、それがある種、心地よいと感じた瞬間もあった。しかし、それは果たして真実か錯覚か?
佐嶋氏と面談してから2日後、朝早くに携帯電話が鳴った・・・
耕一「はい、おはようございます。中澤ですが・・・」
XXXX「おはようございます。柴田です。お元気ですか?まだ、寝てました?いや~、急で申し訳ないんだけど今日これから、時間取れるかな?直ぐにでも会って、相談したいことがあるんだけど・・・」UP-RISEのメンバーであった。2・3回、定例会で同席していた。
耕一「ああ、柴田さん、どうも。急にどうしたんですか?・・・今日は、ちょっと待ってくださいね・・・・ああ、午前中なら時間取れますよ。どうします?どこでお会いしますか?」
柴田「それじゃ、中澤さんのオフィスに伺うから、10:30位でいいかな?」
耕一「はい、分かりました。お待ちしています。」
それから、耕一は、本多に携帯からメールで、会議室の予約をした。
(3時間後・・・)
耕一「いや、どうも~。お電話もらって一瞬誰かと思いましたよ。」
柴田「いやいや、ぶしつけで申し訳ないね。早速なんだが、相談というのは・・・」柴田は、コーヒーに口を付けた。
柴田「実は、中国で新たなビジネスチャンスがあるんだよ。それというのは、上海で大手の百貨店(デパート)の新店舗の1フロアー全てを日本製のブランド店舗を集めて、出店・運営する話なんだけど・・・」
耕一「どういった、お店ですか?」
柴田「アパレル、雑貨、とにかく中国の都市部に在住する女性が、興味を引くもの全てを揃えるんだ。今、日本の経済は沈滞ムードが否めないが、上海は、信じられないくらいの活気があるんだ。一度現地に行って、感じれば分かるよ。」
耕一「はあ、いきなりで恐縮ですが・・・私はあまりリテールの店舗のことは・・・」
柴田「それは、承知している。それ以上に中澤さんの人脈で、適切な人材を探して欲しい。そして、これから契約にまつわる交渉の実務が多くなるから、そこの部分は、実務レベルで加わって欲しい。」
耕一「そうですか・・・・面白い話ではありますね・・・」「ただ、まだ実感として、イメージが沸きませんが・・・」
柴田「そりゃ、そうだろうな。俺も、この話ここ1ヶ月位で急進展してるから・・・ただ、何度も上海には行っているから、現地の状況はよく肌で感じている。」
耕一「では、どのように進めますか?」
柴田「そこで、私のパートナーの謝(シャ)氏に会ってもらいたい。」
耕一「そりゃまた、いきなりですね。私、中国語駄目ですよ。」
柴田「それは、問題ない。彼は、日本に在住している。日本語も問題ないから・・・」
耕一「はあ・・・」
耕一は、唐突な話に面食らった。ただでさえ、多忙な日々である。そこに加えて、また新たに、何かに手を出すのは、想像していなかった。
しかし、耕一の中では、HJPの契約が終わった時どうすべきか?既に頭の片隅に、気に掛かっていたのは確かであった。耕一は、考えた・・・
耕一「柴田さん、3日間ほど時間下さい。ご所望の人材を探すことと、私の係わり合い方、もしくは立ち位置について、考えます。良いお返事が出来るように・・・」
柴田「さすが、中澤さんですね。UP-RISEの中での年寄り連中とは違うね。よろしく頼みますわ!それじゃ、これで・・・」
柴田は、耕一のオフィスをそそくさと立ち去った・・・・(続)