崖っぷち・・・2 | 起業から、経営者へ、そして・・・

起業から、経営者へ、そして・・・

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巷では、クリスマスムード一色であった。街頭のネオンが華やかに輝きを放ち、その空気は、今までとははるかに幻想的に耕一には映った。



耕一が、オフィスを出ようとした時電話が鳴った。オリックスキャピタルの藤田からであった。

藤田:「中澤社長、その後いかがですか?あれから、村上氏も気に掛けているようでして、明後日の午後にでもお時間が合えば、お会いしたいとの話なんですが・・・」

中澤:「そうですか・・・・・・そうですね、ちょっと予定を調整してみます。失礼ですが、携帯の番号を教えていただけますか?こちらから藤田部長にご連絡しますよ・・・・090-XXXX-XXXXですね。分かりました。明日にでも・・・・」

電話が切れた。耕一は「来たか!」と呟き、さてどうしたものか?思案し始めた。

「この話は(高柳から聞いた話)、ネクサスの山木常務にしても何の根拠もないから何と説明したらいいだろうか?・・・いや、やはりこの件は伏せておこう。」



そして、耕一は下田と本間を呼んだ。

「忙しいところ申し訳ないのだが、1月からの売上計画の見直しをして欲しい。併せて、クライアントで特にトピックスがあるのなら改めて報告書を出して欲しい。いいかな?」

「はい、いつまでに?」と下田。「う~ん、明日の夕方までにお願いできるかな?」本間は「明日から、企画会議でクライアントのところに缶詰なんですが・・・」

「そうか」耕一は、相変わらずの温度差に少しがっかりした。本間と一緒にこの会社で仕事をするようになったのは、まだ短い時間だが彼もかつては、個人事務所を持っていた。経営者の一員として、望むことはあったがこの状況においてはまだ、耕一の真意が伝わらないでいた。



それから耕一は、高柳に藤田氏からの電話があった事を伝えた。高柳は「相手のペースに乗るべきではない」と強い口調で言った。そこで、耕一は相手に探りを入れるために何かないかと考えた。

要は、資金調達である。下手なハッタリや嘘は金融機関同士でいつでも裏が取られる。彼らに全く触れられないものはないか?架空の投資家?臨時資金援助?・・・しかし、どれも名案ではなかった。そこで、管理部長の橋本だけに相談した。橋本は、前職は証券会社で、トップからの極秘のM&Aの調査の特命を受けた経験の持ち主であった。翌日、橋本は「今晩、23:30に指定されたファミレスである人物と会います。時間を作って欲しい」と言ってきた。その夜、耕一は橋本とその場所に向かった。