既に5ヶ月が過ぎようとしていた。
木場氏と良く話をしていたのは、今後の事であった。このまま、今の状態での仕事が続けられるのかどうか?また、それぞれの進む方向性についても話し合った。
いずれにせよ、元々職種も異なる。ここらで、何かしら個別にアクションを起こすべきではないだろうかと思い始めていた。
木場は「つまらないかもしれないけど、大手企業の組織に収まるのもいいかな?」と呟いた。
耕一は「自分は、いまさら就職活動しても厳しいかな?何か仕事になりそうなこと無いだろうか?」と呟いた。
そんな中、黒岩氏が「東京事務所を出したい」といい始めた。二人は顔を見合わせた。
これとは別に、耕一は以前に紹介された、藤本氏とNEPの話を進めていた。広島との往復の合間に、NEPへすでに3名の人材紹介が決まっていた。更に2名の紹介予定もほぼ決まっていた。その話が終結しようとした頃、藤本氏から「相談があるんだけど・・・」と声をかけられた。
ある日、藤本氏と耕一は渋谷の居酒屋で待ち合わせをした。
藤本「中澤さん、ぼちぼちどう?何をやるか決まった?」
耕一「いえ、未だ何もハッキリとは・・・」
藤本「そう・・・実は、相談というのは・・・私が元々持っている法人があってそれをもう一度、稼動させようかと考えているんだけど・・・」
耕一「藤本さんの、何の会社ですか?」
藤本「いや、元々は税金対策で作った個人会社だから何ということも無いんだけど・・・そこで、一緒に定款も見直して、一緒にやってみない?」
耕一「そうですね・・・でもやるとなると何も資金は無いですよね?どうしますか?」
藤本「負債は無いから、とりあえず新規に何か仕事が取れれば、その入金はすべてまわせる事になるから大丈夫じゃない?」
今にして思えば、上場企業の管理本部長を務めた人間の言葉とは思えなかったかもしれない。この時点では、耕一は何も疑う余地は無かった。
耕一「分かりました。何かしらコンセプトとか考えてみましょう。」
この話の発端が、新たな火種になるとは想像する由もなかった。