仕事なんか生きがいにするな 生きる意味を再び考える (幻冬舎新書) を読んだ。
よくある人生教訓本かなと思って読み始めたが意外と考えさせられる良本だった。
テーマとしては「仕事に人生を捧げるな、人生とは生きることを楽しむこと」という主旨。
まず労働とは日本では美徳と思われるが西洋ではそうではないこと、そもそも
労働と仕事は異なると。前者はただ働かされているだけ、後者は人生と紐づけた上で
価値・喜びを感じるタイプのものだということ。
ここまでなら、自分は後者だなと思う。そもそも好きだから今の仕事をやってるし
雇われる立場ではない、ということも大きいだろう。
だがその後読み進めると味わい深い内容に出会った。
「芸術とは人生に必要。芸術は一見意味のないように見える。実際即効性があるような意味はない」
「ただ人生とは即効性のある明確な意味があるものだけでよいのだろうか」
「人生をより豊かにする要素は意味のない、意味が感じづらいことを楽しみ、味わい尽くすこと」
元来自分は合理的で意味のあることのみをやりたがるタイプだ。せっかちでロジカルに進めたい。
それを素晴らしいことだと考えている。たしかに仕事面ではそうかもしれない。ただそんな自分に
ちょっと切羽詰まってる自分もまた存在する。
おそらく元来の性格+スマホの存在が合理的、せっかちを加速させたのだろう。
もっと気持ちに余裕をもって、意味のない時間を味わい尽くすことをやっていきたい。
というより、一見意味のないことに意味を見いだせる感受性を高めていきたい。
おそらくこれは心の豊かさなのだろう。
人生は短い、だが1日は長い。だから焦らないで、その瞬間瞬間をゆっくり感じよう。
そう思わせる本でした。