本書の評判はちらほら目にしていたので読んでみた。
前半はブランディングの意義と与える影響について、後半は実際のブランディング運用に
ついて(特に大企業向け?)概要が書かれている。
前半は特に刺さる部分が多かった。
・ブランドは家畜に「焼印を押す」ことから生まれた→自社の商品・サービスを他社のものと
区別する役割としてブランドがある。
・人々はブランドで情報処理を簡略化している。
→ 日々多くのブランドに囲まれて生活している中で、購買の取捨選択をしているのは
ブランドによるものが大きい。例えば服ならユニクロ、携帯ならAppleなど。
・顧客体験がブランディングのために必須
→ 単に機能や品質だけでファンを増やす時代は終わった。購買前、購買、購買後までの
プロセスにおける顧客体験をどれだけ提供できるかが、その後リピートになってもらうために必要。
・ブランドは軸をもって。ブラさない。
→ 一貫した軸・方向性が必要。例えば精米仕立て、新鮮さを売りにした商品をコンセプトにしているのに
売っているものが新鮮でなかったら顧客は失望する。一度打ち立てた軸はブラさない。
初動で思ったような反応を顧客から得られなくても継続的に地道にブランディングを続けることが大事。
価格をブランドの指標とするのも、ある種ありだとは思うが理想的なのは価格に依らず
ファンがいつも買ってくれるようなブランドを作り上げること。そのために価値ある顧客体験を
提供することそれらが一貫してブレていないことが「良いブランド」の条件になる。
ブランディングの肝についてざっくり概要を把握でき、良い本でした。