ついに念願かなって臥龍こと孔明先生と会えた玄徳殿。
二人は何を話すのか!?
浪漫派三国志諸葛武侯伝第十六話始まるよ~。
初めての方はこちらの→ 第一話 ←からお楽しみいただけます♪
━─━─16・天下三分の計━─━─━─
念願の対面を果たした玄徳殿と関羽殿、張飛殿は
孔明先生のお宅へあがり、挨拶もほどほどに
玄徳殿は即刻本題に入りました。
「手紙をご覧いただけたでしょうか」
手紙、とは前回訪問した時に玄徳殿が
元直殿に勧められて臥龍先生の名を慕い会いに来たことと、
自らの漢王朝復興への志を訴えたものでした。
「はい。しかし、元直の言う事を軽々しく信じてはなりません」
孔明先生は話を逸らそうとしましたが
「いいや!元直の目に間違いはありません!
先生、是非、天下の大計を!」
玄徳殿の勢いに押された孔明先生は
「何度も訪ねて頂いたので……」
三顧の礼への返礼として
ずっと温めていた想いを吐き出すように
徐(おもむろ)に話し始めました。
……と、お話の途中ですが
ここから先の提供は
陳寿氏の『三国志』よりお送りいたします。
なお、漢字は出来るだけ日本語の漢字に変換しましたが←恐ろしく疲れました。
場合によっては漢字が文字化けすることもあるとおもいます。
ご理解の上、当時の雰囲気を原文のみでお楽しみください。
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自董卓已来 豪傑並起 跨州連郡者不可勝数。
曹操比於袁紹 則微而衆寡 然操遂能克紹
以弱為強者 非惟天時 抑亦人謀也。
今操已擁百万之衆 挟天子而令諸侯 此誠不可与争鋒。
孫権据有江東 已歴三世 国険而民附 賢能為之用
此可以為援而不可図也。
荆州北据漢 沔 利尽南海 東連呉会 西通巴 蜀
此用武之国 而其主不能守此殆天所以資将軍 将軍豈有意乎。
益州険塞 沃野千里 天府之土 高祖因之以成帝業。
劉璋闇弱 張魯在北 民殷国富而不知存恤 智能之士思得明君。
将軍既帝室之胄 信義著於四海 総攬英雄思賢如渴
若跨有荆 益 保其岩阻 西和諸戎 南撫夷越
外結好孫権 内修政理
天下有変 則命一上将将荆州之軍以向宛,洛
将軍身率益州之衆出於秦川
百姓孰敢不箪食壶浆以迎将軍者乎。
誠如是 則覇業可成 漢室可興矣
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荊州と巴蜀の地を手に入れて
天下を曹操、孫権と三分する『天下三分の計』
気宇壮大なその大計に玄徳殿は大きな衝撃を受けましたが
本当に心から感動、感激したり
魂も震えるほどの衝撃を受けた時
そんなに簡単に言葉は出て来ないものです。
況してや!もともと寡黙な玄徳殿。
ようやく発した言葉は『善(すばらしい!』の一言だけでしたが
このたった一言だけ、というのが
玄徳殿がどれくらい天下三分の計に感極まったのか
伝わって来るような気がします。
*
天下三分の計を聴いた玄徳殿は
「是非ともお力添えをお願いしたい!」
孔明先生に仕えてくれるよう頼みましたが
「いや……それは……」
孔明先生、あんなにも熱く天下三分の計を語っておきながら
まさかのお断り!?
どうする、玄徳殿!?
何か暴れそう、張飛殿!
悠長に地図を見て勉強している、関羽殿!
孔明先生の決断や如何に!?
気になる続きはまた次回!
本日はここまでm(__)m
『浪漫派三国志諸葛武侯伝』は
李法曽さん主演の連続ドラマ『諸葛孔明』をベースに
今回は陳寿氏の『三国志』も引用しつつ
玄子独自の解釈により創作したものです。
それにしても……原文そのまま企画は
思いの外、骨が折れる(><;)
今回限りにしよう。
玄子