中国オートバイメーカー 「日の丸」を理由に契約解除を発表 | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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今月4〜6日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催された【MotoGP第16戦日本GP】では、コロナ禍以降、最多の観客動員を記録し、世界の注目を集めていました。こうした中、スペイン人選手が中国企業から契約解除処分となっていたことが報じられています。



中国メディア・今日頭条(10月8日)は、スペイン人選手・ゴンザレス氏とスポンサー契約を結んでいた中国のオートバイメーカー・QJMOTORが同選手と契約解除を行ったと報じています。

今月6日のレースに参加していたゴンザレス選手はこの日、頭に日の丸をデザインした鉢巻を巻き、日本式のお辞儀を披露するなど日本でのレースということもあり、ファンに向けたパフォーマンスを行っていました。

こうしたゴンザレス選手の行為に対して中国のネットユーザーからは、「国民感情が傷付けられた」とする批判のコメントが殺到。その後、同社に対し説明責任を求める声が高まっていました。

同社は翌日7日、ゴンザレス選手の行為について「中国の歴史について理解がなく行ってしまった行為とは言え、中国のモーターファンや民族感情を傷付けたことは事実である」として契約解除を行ったと発表したのです。

「日の丸」を見ただけで国民感情が傷付けられたというネットユーザーの主張には疑問を持たざるを得ません。中国では過去から現在に至るまで幾度となく国際会議や国際イベント、日中首脳会談が行われ、その度に日本国旗はこうした会場で掲げられてきました。こうした場では今回のような声は上がっていませんでした。

アヘン戦争や朝鮮戦争で中国と戦果を交えたイギリスやアメリカの国旗には沈黙し、日本国旗にだけ異常な反感を示す一部のネットユーザー。企業側は経済活動をする上で、毅然とした態度を示すことも大切なのではないでしょうか。