窃盗事件がきっかけで35年前の誘拐事件に転機 | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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中国で大きな社会問題となってきた児童誘拐やそれに伴う人身売買。中国公安当局は数年前から中国全土に設置されたAI機能付き監視カメラよる顔認識技術で、行方不明児童の捜査を行っている他、DNAによる捜査も行っています。

こうした中、中国メディアは、35年前に発生した児童誘拐事件が解決したことを報じています。中国メディア・極目新聞(5月27日)は、35年前に発生した誘拐事件が、窃盗事件をきっかけに解決したことを報じています。

今年3月、北京市で暮らす女性は自宅で空き巣の被害に遭い、地元の公安局に被害届を提出していました。その後、公安局は捜査のためこの被害女性のDNAを採取していました。公安局は女性のDNAが誘拐被害のリストに入っていることに気が付き、女性の実の両親に連絡したところ、女性は35年前に四川省の農村部で誘拐されていたことが発覚したのです。





女性は育ての両親から「実の両親は経済的な理由から育てられず子供を売った」と聞かされており、自身が誘拐の被害者であることを知りませんでした。今月、女性は公安の付き添いの元、実の両親との再会を果たしたことが伝えられています。

誘拐被害の多くが今も解決していない大きな理由として、事件から10年で時効を迎えてしまうことや、被害者が育ての親への同情心から、事件化を望まないなどの理由から捜査が進まないことが挙げられます。