中国では若者世代を中心に、就職氷河期の流れが強まっています。一方で、工場などの製造業では人手不足が深刻となっており、中国経済の成長にも影響を与えています。こうした問題の改善に、中国では高齢者の活用に活路を見出そうとしています。
中国メディア・中華網(5月19日)は、中国の最高行政機関である国務院発展研究センターが、高齢者の再就職を今後後押ししていくことを報じています。同研究センターは、60歳〜70歳の高齢者について今後、「青年高齢者」と定義するとしています。また、70歳〜80歳を「中高齢者」、80歳以上を「老高齢者」と定義するとしています。
今回の政策の狙いとして、高齢者は仕事や社会経験、知識が豊富で、健康であればまだまだ社会に貢献が可能で、高齢者が労働をすることで収入面で安定することができ、同居家族の経済・精神的負担を減らすことができるとしています。
中国の法的定年年齢は男性が65歳、女性が50歳〜55歳と定められています。中国のネット上では、「我々が高齢者になる頃は定年が90歳くらいになるのでないか」「60、70を青年と呼ぶとは。死ぬまで働かされることになるのか」「政府は年金や医療費の支出を抑えるために高齢者を働かせようとしている」などの声が寄せられています。