「口は災いの元」ということわざは、中国語で「禍從口出」と言います。中国では小学生が授業中に語った「将来の夢」についての話が、中国の大手銀行を巻き込む大騒動になっていることが報じられています。
中国メディア・今日頭条(4月3日)は、小学校低学年の男子児童が授業中に発言した言葉が原因で、中国4大銀行の一つ、中国農業発展銀行が社内調査を行うことになったと報じています。
男児は授業で行われた「将来の夢」を発表する際に、「将来は中国農業発展銀行の頭取になるのが夢です。僕のおじいちゃんは中国農業発展銀行の頭取でお母さんは副頭取です。親の仕事や家の財産を相続していきたいと思います」と語ったのです。
男児が授業中に語った様子はなぜか動画に撮影されていて、この動画が中国のSNSで拡散されていったのです。特に問題視されているのが、中国農業発展銀行は一般の銀行と違い、中国国務院が管轄する事実上の国有銀行であったことでした。
多くのネットユーザーからは、「国有銀行で世襲制が密かに行われているのではないか」「頭取ではないにしても子供がこんな具体的な嘘をつくとは思えない」「家で親から常に言われてるんだろうな」との指摘が寄せられ、中国農業発展銀行もこうした世論に反応。公式声明を発表し、「頭取についてはこうした事実はなかった。支店などの幹部職でこうした事実があるのか確認している」と社内調査に乗り出したことを認めたのです。国有銀行で世襲が行われているのか、調査の結果によっては厳しい処分も予想されます。