中国の体育館で11名の子供が犠牲に 変わらない隠蔽体質 | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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子供たちにとって最も安全な場所であるはずの学校で11名の命が奪われました。今月23日、中国チチハル市の中学校の体育館で屋根が崩落し、生徒11名が死亡した事件が起こりました。体育館の改修業者が天井に、建材や園芸などに利用されるパーライトを置いたまま放置していたことで、大量のパーライトが雨水を吸収し重くなり、天井がその重みに耐えきれず落下したと報じられています。





中国国営メディア・CCTV(7月26日)は、黒竜江省教育部が公開した資料について報じ、今回の事故を巡り、施工現場での資材の扱いに違法行為があったと報じています。今回、体育館の天井に放置されたパーライトについて昨年冬の時点ですでに屋上に放置され、そのまま事故発生日まで置かれていたのです。


中国では今年6月、寧夏回族自治区銀川市の焼肉店でガスの爆発事故が発生し31名が死亡しています。また、5月には山東省聊城市(りょうじょうし)で化学工場が爆発し5名が死亡しています。いずれの事故も、事故発生の数日前に消防による安全検査が行われていたのです。国営メディアは、相次ぐ重大事故に対し「形式主義的な安全検査は人を殺すことになる」と、厳しく批判し、これまでの安全検査を見直すべきであると報じています。


2008年に発生した四川大地震では多くの学校が崩壊し子供たちの命が犠牲となりました。当初、中国メディアは学校建設を巡り、賄賂の温床となり違法な資材や違法建築が行われていた可能性を指摘していましたが、具体的な責任の所在は明らかとされないまま時だけが経過しています。こうした隠ぺい体質こそが、重大事故の発生を繰り返す要因となっているのではないでしょうか。