台湾国防部が戦時マニュアルの配布を明言 有事準備進む | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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数年以内に発生する可能性が取り沙汰される中国軍による台湾上陸。台湾の蔡英文総統は、米軍の台湾駐留を公にし、日本を含む周辺各国やヨーロッパ諸国に対し連携を呼びかけるなど緊張が高まっています。

こうした中、台湾国防部(防衛省に相当)は、中国との戦争が発生した際に備え、市民に向けた「サバイバル・避難マニュアル」の配布を行うことを明らかにしています。現地メディアによると今月28日、台湾立法院議会の場に出席した台湾国防部長・邱国正氏は議員からの質問に答えました。

議員からは、「国防部全民防衛動員署組織法」が可決されたことで、来年1月1日から国防部に「全民防衛動員署」が新設される事に関して、国民向けに有事の際のマニュアルの作成・配布を行う予定があるかという質問が寄せられ、邱国正氏は、すでに有事の際の避難行動や避難場所などを明記した冊子の制作を行っており、来年3月から配布を行う予定であることを答えたのです。

なお、「国防部全民防衛動員署組織法」とは有事の際、台湾市民への徴兵や動員について取り決めたもので台湾政府は徐々に中国との衝突に備えた動きを進めているのです。

台湾のネットユーザーなどからは、中国との軍事衝突に関して、未だ楽観的な意見が多く寄せられており、今回の動きについても大きな反応は見られていません。とは言え、中国国内からは台湾に対する武力統一について、政府も国民も肯定的に推し進める方向で足並みを揃えており、緊張は今後更に高まっていくことになりそうです。民主主義国家であり、平和国家である日本。隣国に位置する日本がどのように動くべきか、今こそ試される時なのかもしれません。