デルタ株の感染拡大が深刻となる中国。新型コロナウイルスの感染が世界で初めて確認された湖北省武漢市では、今月に入りコロナウイルスの感染者が見つかったことで最大限の厳戒態勢が採られることとなりました。
中国メディアによると今月2日、武漢市では7名が新型コロナウイルスに感染していることが判明し、その内の4名は無症状患者でした。そのため、無症状患者による感染拡大に危機感が高まっているのです。
感染者が確認された翌日の本日3日、武漢市政府は市内に住む約1200万人全員にPCR検査を実施することを発表し、湖北省政府は感染拡大を食い止めるため市民に対し、戦時状態突入同様の備えを行うよう発表したのです。湖北省政府は、感染防止の心得として不必要な外出を避け、密空間が生まれやすい場所への接触回避、公共の場でのマスク着用の徹底を求めています。さらに、電車や地下鉄、空港、埠頭、高速道路の出入口に24時間体制で検温場を設置し、出入りする全員に対し体温検査を行っていくとしています。
武漢市内ではすでに市民生活にも大きな影響が見られています。現地メディアは、今後市内での感染拡大が深刻化した場合、昨年同様ロックダウンなどの厳しい措置が採られることが予想されており、市内のスーパーなどでは食料品の買い占めがすでに確認されていることが伝えています。また、市内では食料品価格の上昇がすでに見られており、豚肉は約2倍、野菜や米も通常時の1.5倍となっているのです。
わずか7名の感染者確認で、湖北省・武漢市政府がここまで大規模な措置を採る背景には、武漢が新型コロナウイルスの発生地というイメージが国際的についてしまったことがあるでしょう。武漢を二度とコロナウイルスの感染拡大の地にしないという政府の強い決意があるのでしょう。