昨年12月、中国のSNS上でその存在が伝えられた新型コロナウイルス。その危険性をいち早く全世界に知らしめようと動いたのが李文亮医師でした。亮医師は眼科医として新型コロナウイルスの対応に当たっていましたが、2月7日、自身も新型コロナウイルスに侵され、不幸にも命を落としました。
そんな中、李医師に第二子が誕生しました。李医師の妻、付雪潔さんが3000gの男の子を出産したのです。付雪潔は出産後SNSに「天国から見ていますか？あなたが最後に残してくれたプレゼントが今日誕生しました。私は必ず子供たちを幸せにします」と、メッセージを投稿しました。
李医師の妻は中国メディアに取材に対し「夫は責任感の強い人でした。患者のために朝早くから病院に詰めていました。優しい父であり優しい夫でした。夫は家族のためにいつも尽くしてくれました」と、その思いを語っています。
世界に新型コロナウイルスの危険性を訴えながら、自身も新型コロナウイルスに感染し、亡くなった李医師。メディアが政府の管理下に置かれる中国で、監視対象となるリスクを顧みず、新型コロナウイルスの存在を訴え続けました。武漢市政府は李医師の遺族に対し、謝罪を行いましたが、最終的に市当局の担当者たちが責任を問われ、逮捕されています。
世界で感染が広がる中、その責任の所在を巡り、中国とアメリカの間では政治的対立が激化。新型コロナウイルスは政治問題へと発展してしまいました。今は亡き李医師がこの現状を知ったら、一体どう思うでしょうか。