中国深セン市、ペットへのマイクロチップ埋め込みが義務化へ | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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日本でも長らく解決がみられなかったペットの虐待や遺棄。飼い主のこうした無責任な行為を抑止し、迷子となったペットの飼い主を特定するため、昨年日本では改正動物愛護法が可決されました。

この法改正によって、犬や猫への飼い主の情報を記録した「マイクロチップ」の装着が義務付けられることとなり、すでに施行が始まっています。

一方、中国深セン市でも同様の取り組みがスタートしました。深セン市政府は、市内で飼育されている全ての犬に、無料でマイクロチップを埋め込むことを発表しました。例外となるのは、病気に罹っている犬や、妊娠中、生後3ヶ月未満、体重が2キロ以下と犬で、それ以外の犬にはマイクロチップの埋め込みが義務化されます。




飼い主の名前、犬の名前、住所などの個人情報が記録されるマイクロチップ。深セン市当局は、飼い犬への埋め込みを義務化した理由について、迷子になった犬を飼い主の元に返すためだと説明しています。


《深セン市内で飼われる犬に》

経済成長に伴い、中国では都市部を中心にこの20年ほどでペットを飼う世帯が激増し、今ではその数が5000万世帯前後にまで増加しました。ペット市場も3兆円規模にまで拡大し、中国は今まさにペットブームの真っ只中と言えるでしょう。

それとともに日本同様、ペットの虐待事件や遺棄も社会問題化してきました。深センでのマイクロチップの埋め込み義務化は、こうそた無責任な飼い主によるペットの遺棄に大きな効果を発揮することが期待されています。

その一方で、ペット誘拐は逆に増えてしまうのではないかとの懸念も広がっています。中国では数年前から、富裕層が飼う高級犬種を狙ったペットの誘拐事件が頻発せるようになっており、実際に身代金を要求される事件も報告されていますが、今回のように個人情報が入ったマイクロチップがペットに埋め込まれることで、こうした犯罪を助長することになるのではないかというのです。

ペットのために導入されたマイクロチップの埋め込み義務化。この措置が、少しでも多くのペットが救うことなるよう祈るばかりです。