中国の犬肉・猫肉料理、ようやく禁止へ | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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新型コロナウイルスの発生以来、世界中で非難の的となってきた中国の食文化。新型コロナウイルスの宿主とされるコウモリや、ウイルスと人類を媒介したと疑われているセンザンコウなど、中国の一部の地域では野生動物が滋養強壮の食材として売買されてきました。その中国の食文化が、新型コロナウイルスの世界的蔓延をきっかけに大きく変わろうとしています。

農業分野の管理監督を行う中国農業農村部は今月8日、食用として商業的取引が可能な陸生動物について国民に意見を求める、という内容の文書を公布しました。中国ではこれまで、食用の家畜としてブタ・牛・羊・ロバ・ラクダ・ウサギ・ウマ・鹿・ミンク・キツネ・ムジナなど30種に及ぶ動物の売買を認めきました。実はその中には犬も含まれており、内陸部や広州などの地域では、犬肉料理を出す飲食店も多く、犬を食材と考える人も少なくありません。




その犬の取り扱いについて農業農村部はこのほど、「犬は家畜というより人間の仲間という意味合いが強くなってきている。このため、国際的な常識に則り、犬を食用の家畜から外すこととした。これは人類の文明の進歩と、大衆の動物保護の意識の高まりをとを考慮たものである」との考えを示しました。中国の犬肉料理については、これまでも世界的に批判が集まっていましたが、今回の新型コロナウイルスをきっかけに、中国国内でも犬の扱いが見直されることとなったのです。

こうした食文化の見直しは、都市単位でも行われるようになっています。中国深セン市では今月1日、新たな条例の発表、野生動物の食用の全面的禁止に加え、犬肉・猫肉についても売買や食することを条例で禁止し、違反者には多額の罰金を科すことを決定しました。深セン市政府は今回の発表について、「犬や猫はペットとして飼う人が増え、人類との関係がより親密になっている。先進国では、犬猫を食すべきではないという結論に至った」と説明しています。

中国人の食文化について、日本では「4本足のものならテーブル以外、何でも食べる」とも揶揄されてきましたが、その食文化が今、コロナというウィルスによって大きく変わろうとしているのです。