これまで何度か中国の出生率低下や高齢化の問題を取り上げてきましたが、それを裏付けるデータが発表されました。
今月26日、中国教育部が、“幼稚園入学者数”に関するデータを発表したのです。2018年の幼稚園児の数はおよそ1864万人。前年度と比べ74万人減少し、減少率は3.82%でした。中国教育部は今回の発表について、データは中国全体の人口が減少傾向にあることを裏付けるものであるとしています。
これまで何度も指摘したとおり、出生率低下の要因となっているのは、子育て世代の経済的厳しさと価値観の多様化が挙げられます。これまで中国では、子供を生み育てることは次の世代へと血を繋ぐ当然の責務として受け継がれてきました。しかし80年代生まれ以降の世代にとって、子供を生み育てることは個人の自由であるという価値観が形成されつつあり、こうした価値観の多様化も出生率低下の大きな一因となっているのです。
出生率の上昇を目的に、中国では2016年に一人っ子政策の撤廃を行いました。しかし出生率はむしろ低下の一途をたどっています。出生率低下を食い止めるには、政府がもう少し若者の目線に立って、根本的な対策を講じなければいけないのではないでしょうか。