中国でまたしてもカナダ人逮捕、その人物の正体とは! | 周来友 オフィシャルブログ

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中国出身のジャーナリスト、タレント。
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ファーウェイのCFO・孟晩舟氏がカナダ当局に逮捕されてから、中国では中国国内に滞在中のカナダ人が次々と逮捕されました。メディアはカナダに対する報復逮捕なのでは、と報じており、逮捕の真意に大きな注目が集まっています。


そんな中、中国では4人目となるカナダ人の逮捕者が出ました。その逮捕者の正体について、様々な憶測が飛び交っています。


中国では今月24日付けの報道で、中国船舶重工集団会社の所長の男が中国当局に対し重大は規律違反を行い逮捕されたとされています。逮捕されたのは卜建傑という人物ですが、実はカナダ国籍を取得していました。つまり、カナダ人として、公営企業に勤め、幹部職員として在籍していたのです。


今回の事件について中国のネットユーザーからは「国家の重要ポストに外国人が就いていたということか。国への愛国心もバカらしくなる」「こういう人間が何年も前からこうした地位に就いていたのではないか。そのうち気が付いたら国営企業の重要ポストが全て外国籍の華僑にもなってるかもね」「この素性の分からないカナダ人に対し、カナダ政府はどのような反応を見せるのだろうか」と、様々な意見が寄せられています。


実は中国では数年前から、汚職公務員や汚職官僚などが不正を働いて溜め込んだワイロなどの資産を海外に移す手段として、自分の子供や愛人を海外に移住させ、その国で国籍を取得させるということが行われていました。国籍を取得した国で口座を作成させ、不正資金を海外に移すのです。


今回逮捕されたカナダ国籍の元中国人男性も、公営企業の幹部職員という肩書きを利用して貯めた不正資産をカナダへと移すためにカナダ国籍を取得したのではないかと見られています。中国では、こうした不正資産を移動するために密かに外国籍を取得している公務員がまだまだいるのではないか、と報じられています。


今回中国当局がこのカナダ国籍の人物を逮捕した背景には、当然ながらファーウェイ事件に対するカナダ政府への牽制の意味もありますが、中国国内の悪徳公務員への見せしめという意味もあったのです。こうしたカナダ国籍の悪徳公務員の逮捕は、今後も続いていくのでしょうか。