レスリーチャン　没後15年

毎年4月になると、ある偉大な俳優を思い出します。その俳優とは香港が生んだ大スター、レスリーチャン（張国栄)。すでに亡くなって15年が経ちます。

《日本でも単独ライブを行っており、日本人ファンも多い》

2003年4月1日、当時46歳だったレスリーチャンは突然、香港マンダリン・オリエンタルホテルから飛び降り、自ら命を絶ちました。この日エイプリルフールだったこともあり、当初、香港でも海外でもジョークとして受け止められていたレスリーチャンの自殺ですが、翌日も大きく報じられ、事実であることが分かると中華圏に大きな衝撃が走りました。

数多くの香港映画に出演し、俳優としてまた歌手として香港芸能界の第一線で活躍していたレスリーチャン。日本でも《チャイニーズ・ゴーストストーリー(倩女幽魂)》、《さらば、わが愛(霸王别姬)》などの作品を通じて多くのファンを獲得していきました。歌手としても優れた才能を持っていたレスリーは、親日家だったこともあり、谷村新司さんの曲をカバーするなど日本のアーティストとも交流を深めていました。

そのレスリーが死を選んだ原因ですが、背景がわかるような遺書などは見つかっておらず、はっきりとした理由は分かっていません。このため香港や中国では彼の死の真相に迫ろうとこれまで何度もドキュメンタリー番組が報じらました。現在、最も有力な説は、同性愛者であった彼がメディアからのバッシングに耐えかね、鬱病を患い突発的に自殺したというものです。

彼が亡くなった2003年はトップ女優のアニタ・ムイもガンでこの世を去っており、2人の巨星(偉大な芸能人)を失った香港は大きな悲しみに包まれました。