フランスのファッションブランド LEMAIRE が公開した最新の広告ビジュアルをめぐり、中国で大規模な批判と不買運動が広がっています。問題となったのは、長い辮髪(べんぱつ)、中国風の長衫(ちょうさん)、そしてハサミを組み合わせた演出で、中国の消費者から「近代中国の屈辱的な歴史を連想させる」と反発の声が上がりました。


中国のSNSでは、多くのユーザーがこの広告について、清朝末期から民国初期にかけての混乱期、西洋列強の影響下で辮髪文化が否定され、強制的に髪を切られた歴史を想起させると指摘しています。特にハサミの存在が「強制的に辮髪を切られる圧迫」を象徴しているとして、「民族の痛みをファッション演出に利用した」と批判が集中しました。
さらに、LEMAIRE 側の対応も火に油を注いだとみられています。騒動拡大後、同ブランドは中国版SNSの微博や小紅書でコメント欄を閉鎖しましたが、制作意図や謝罪に関する正式な説明は出していません。この姿勢に対し、中国ネット上では「説明責任を放棄している」と不満が高まりました。
皮肉なことに、同ブランドは2026年1月に上海の武康路に世界最大規模の旗艦店を開設したばかりで、中国市場を重要拠点として拡大を進めていました。そのため、「中国で利益を得ながら中国人を侮辱している」との批判も強まっています。
愛用者だった消費者の中からも「もう二度と買わない」「以前は好きだっただけに失望が大きい」といった声が相次ぎ、不買の動きが広がっています。4月26日時点でも LEMAIRE から公式な声明は出ておらず、騒動はなお収束していません。