よお、ライス・ユビリアンだ!!

 勇者の力は尋常ではなかった。

 俺は10分ほど好き勝手に暴れていたんだが、それだけだ。

 

 勇者と名乗った少年ユヒトと分かれて、フェニックスの泉がある山に攻め入る魔物を蹴散らすべく、俺は山の住民に呼びかけをしながらそこかしこに群がる魔物を倒していた。

 自分で言うのもなんだが、俺に問っちゃそこいらの魔物の軍勢など紙切れの兵士のようなもの。

 ユビリアン家に代々伝わる剣技で魔物どもを一瞬にして倒して回っていた。

 

ライス「奥義・ミッドユビトニス!!」

 ライスから放たれた剣圧によって、周りの木々ごと打ち砕く超直線の剣技。

魔物5匹「ガルヘブシ!!!」

 一瞬にして10メートル左記の魔物まで塵と化してしまった。

ライス「ククク!!久しぶりに血が沸き立つぜ!!オラオラ!!こんな雑魚じゃなく、もっと強いやつはいないのか!!?」


 俺が調子に乗っていた時だった。

 山全体が震え始めた。

 これは闇の力ではない、光の力だ。

 こんな尋常じゃない光の力が今起こる理由は一つしか思いうかばない!!

 ユヒトだ!!

 俺は力の集中している空の方を振り向いた。

 

 その方向には黄金の翼を背にしたユヒトの姿があった。

 まさしく、ユヒトがフェニックスの能力を行使している証拠だった。

 そして、その光の力は見る見るうちに高まってくる。

 そこいらにいた魔物どもはすくみあがって、身動きすら出来ない状況だ!!


ユヒト「ライトブレイク。」

 

 ユヒトが小声でポツリとつぶやいた。聞いたことのない呪文だ。

 ユヒトが呪文を唱えたその瞬間、ユヒトの体から強烈な光が発せられた!!

 この光は見覚えがある。 フェニックスの泉の光と同じだ!!

 ユヒトはフェニックスの泉から、発せられていた光のエネルギーを手に入れている。

 それを呪文に載せて、魔物に対して破滅的な力として発行した。

 俺達人間にとってこの力はなんとも思えない、むしろ、力が上がってくる気さえしたが、魔物にしてみれば、硫酸をかけられたようなもの。

 その辺にいた雑魚の魔物どもは一瞬にして消えていった。

 山はユヒトの力によってまた、魔物のいないものとなった。


ライス「ユヒトーーーー!!!」

 俺は勇者の想像以上の力を眼の辺りにし、嬉しさのあまり、ユヒトの元へと駆け出していた。

ライス「ハァハア、・・・・ユヒト!! やっぱお前すごいな!!

     勇者の力、想像以上だ!!お前なら魔王を倒せるんじゃないか!!」

ユヒト「今のは、初歩の光・・・。たいしたこと無い。」

ライス「・・・!! ハハハ!!言うじゃねぇか!!」

ユヒト「・・・・・。」


 ユヒトはかなり寡黙なやつのように思える。

 勇者としてそれはどうなのかよくわからねぇが、とにかく今は最高に気分がよかった。

ライス「そうだユヒト、まだ自己紹介してなかったな!! 俺の名前はライス、ライス・ユビリアンだ!!」

ユヒト「・・・・・。」

ライス「ユビリアン家は武道の名家、俺も腕にはちょっとした自身があるんだぜ!!」

ユヒト「・・・・・。」

ライス「なぁ、ユヒト!!魔王倒しに俺も連れて行ってくれねぇかな!?・・・嫌よぉ・・・」

ユヒト「ライス・・・・。」

ライス「おう!!」

ユヒト「少し、静かにして欲しい。」

ライス「あ?」


 その瞬間まで馬鹿みたいにしゃべっていた俺だが、ユヒトが一瞬先に読み取った気配に俺も遅ればせながら気づいた。


ライス「・・・・!!!・・・えぁ・・・・・??」

 

 その気配が何者かということは容易に想像がついた。

 そう、さっきまで、確かにこの山の空気はユヒトの放った魔法の力で光に満ちていた。

 しかし、一瞬にして闇の魔力に染まりかえってしまっている。それも普通のレベルではない、最凶のレベル。

 俺はこの気配、イタリス城没落の日に経験したことがある。

 世界をこのような状況に持ち込んだ諸悪の根源、そう・・・。


ユヒト「カイサー・フェルティス・・・・。」


 ユヒトの頭上に闇の魔力が高まる。

 空に浮かんだ黒く丸い魔力空間、そこから、魔王カイサーフェルティスが現れた。

 異様なその魔力からは不相応な整った容姿を持つ魔王から言葉が発せられる。


魔王「フェニックスか・・・・今回は」


ユヒト「魔王・・・・。その力は・・・・。」


魔王「フ・・・・。」



 二人の会話が少なすぎる、とは言っても、俺は魔王の魔力の前で、声すら上げることが出来ない。

 実を言うと、恐怖なのか何なのか分からない力で、俺は震えていた。

 勇者と魔王の対面、勇者ユヒトが現れてからここまで早くこのことが起きたということは、魔王は予め目星をつけていたとしか思えない。

 場に流れる空気は耐え難いほど凍てついていた・・・・・。 

 

 俺は、定期的な警備でフェニックスの泉のある山まで来ていた。

 最近の泉の輝きは眩しすぎるくらいだ。魔物なんて、山のふもとにすらやって気やしない。

 正直この警備の仕事入らないと思いかけていた俺だが、今日を境にこの山の光の属性は全てなくなることになるので、逆の意味で警備などいらないことになるのだが、まだ分かるわけはなかった。


山に住む人「よお!!ライス、今日も警備に来てくれたのか!!ありがたいことだ!!お前がいてくれたら魔物なんてひとたまりもないからな!!」

ライス「まぁ、そうなんだがな。最近は俺の仕事があまりないんじゃないよな。もう来なくてもいいだろ?」

山に住む人「そお言うなよ!!こんな世の中なんだ、みんな不安なんだよ。お前みたいな強いやつが一人でもいてくれたら、安心して寝ることが出来るんだよ!」

ライス「そう言うなら、いるだけはいるがな・・・。」


 正直そんな感じだった。

 俺は受け入れられているが、暇な警備に付き合うのにも飽きていた。

 山の警備に来たということで、一応この山の持ち主の爺に挨拶をするのが決まりだったので、爺のテントがある泉の近くまで向かっていた。

 

 泉の付近に来たときに、泉の輝きが明らかに増幅しているのが分かった。

 体中に光のエネルギーを感じる・・・。なんだ!?

 何かが起こると思えた、俺は泉まで走っていた。

 


 フェニックス・・・・。



 黄金の光を放つフェニックスの姿がそこにあった。

 泉の中心に体調30メートルはあろうかというフェニックスが現れている。

 その光の量は言葉では言い表せないほどだ。光が強すぎて体が痛い・・・。

 普通ならこのような怪鳥を見た場合、魔物と判断して切りかかっていただろう。

 しかし、この光の力は半端ではない。魔物とは相反するものであることが理解できた。


 

 少年・・・?



 見覚えのない少年がフェニックスの前にいる。

 10歳程度の幼い少年のようだ。

 馬鹿な・・・? 泉の上に立っているようだ・・・。

 俺は言葉も発せないままその光景を見つめていた。

 

 少年が両手を上げる。

 フェニックスは少年を丸呑みにしてしまった・・・。

 そして、飲み込んだ後、フェニックスは表現しかねるの閃光とともに消えてしまった。

 フェニックスが消えた後には少年が一人残っている。

 泉から発せられ続けていた光の魔力は消えている。

 

 俺は何がおきたのかよく分からないまま唖然としていたが、少年が泉の上を歩いてこりらにやってくるのがわかった。

 どうやら、俺の方に歩いている。

 その瞳は青白く、全てを見透かされてしまいそうな感じがした。

 黒髪で、肌は白く、うっすらと微笑を浮かべているように思えた。

 

少年「俺は・・・・ユヒト・・・・・。

    フェニックスの掲示により・・・・・、魔王を倒す。」 

ライス「・・・・!?何を言っている!?」

ユヒト「闇の力・・・・増幅しすぎた。・・・光の裁きが必要だ。」

ライス「・・・・・・。」



 さっきのフェニックスを見た俺はこの唐突に意味不明なことを言い出す少年の事を疑う気にはならなかった。

 そして、昔からよく気されれている、勇者の存在を思い出した。

 光の象徴・・・・勇者。

 闇と相反して力を持つ存在。

 

 フェニックスの泉に闇と相反する力がたまり、それがたまった今、代表する一人の少年に全ての力を注ぎ込み、魔王討伐の力を与えたのではないだろうか?

 俺は薄々そのような兆候があるのがこの泉の存在理由なのではないかと思っていたが、まさにそのとおりだった。

 世界の闇の力に反発する力は全てこの泉にたまりこみ、フェニックスという形から少年に伝わった。

 この少年は何者かは分からないが、今の俺は魔王に対抗できる力が現れたことが嬉しく、心躍るばかりの気持ちだった。


ライス「ユヒト・・。君は、勇者なのか?」

ユヒト「・・・勇者? 俺は光の啓示。 人がそう呼ぶ者以上の存在だ。 ・・・・・勇者と呼ぶならそう呼んだら良い。」

ライス「勇者・・・・俺は勇者ユヒトが現れる瞬間を見たんだな!!!」



 俺は嬉しかった。

 予想いていた勇者増とは違うが、このユヒトという少年の力は並ではないことが分かる。

 魔王を倒せるに値するものだとこの時は確信していた。  



魔物(ウルフ族)「ワオーーーーーーーーーーーーーーン!!」

ライス「!!!ウルフ族特有の魔物招集の汽笛!!この山の光の属性がなくなったから、魔物が総攻撃を書けるつもりだぞ!!」

ユヒト「・・・・闇の眷族・・・・所詮は眷族に過ぎない。・・・・・笑止。」

ライス「早速勇者の力の見せ所ってわけか?」



 警備の俺はまず山に住む人に伝令をすべく駆け出した。

 ユヒトのことは勇者ということでやつの判断に任せ、別行動ということになる。

 勇者の力がどれほどのものか、本当に楽しみになってきた!!!

 俺も久しぶりの戦闘で、思いっきり楽しませてもらうとするかね!!!!

 今回も語り部は、ユビリアン家の長男、ライス・ユビリアンだ。

 人間達の抵抗むなしく、魔物どもはますます勝ち誇っている。

 勝ち誇るのは当たり前だな。 そしりゃ、世界は魔王に制圧されているんだ。

 魔王と魔物が直接仲間だなんて話は聞いたことは内が、元から闇の属性を持つ魔物と、闇をこよなく愛する魔王とじゃ引付が強くなるに決まってる。魔物どもは勝手に魔王様なんてカイサー・フェルティスのことを自分達の王とでも思っているかのごとく発言してやがるし、まったくうざいもんだ。


 世界が魔王に制圧されてから、闇の魔力は年々濃くなっていった。曰く魔王の目論見どおり、世界の生物が闇に心をおき始めた結果、世界を覆ってい光の力は薄れ、闇の魔力が大きくなってきたのではないかということだ。

 まったくひどい話だ。

 このままじゃ悪循環に悪循環を重ねて世界は闇の魔力のみで埋まっちまう。

 だが、俺達は何の打開策ももてないまま、2年の年月が流れていた。


 滅亡暦2年。

 世界制圧から2年後のことだ。

 世界がやみに包まれてからというもの、世界中の魔力が闇に制圧されていたが、ある場所では逆に光の魔力が強くなっていた。

 フェニックスの泉と呼ばれる、神聖な場所。

 険しい山の上にあるその泉は2年前まではそうは呼ばれていても、見た目は何の変哲もない泉だった。

 だが、滅亡暦0年から次第に泉に光があふれてきて、2年後の今ではまぶしいくらいの輝きを見せている。

 代々、キンゴール王家はこの泉で元服の儀式を行ってきたらしいが、今や王家の血族は絶たれてしまっている。

 残っている血族は一人としていないという話だ。

 

 光の魔力の強くなったその場所は魔物たちが寄り付かず、人間達はその泉の近くで生活をするようになっていた。

 滅亡暦2年の今となっては、3000人ほどの人間がフェニックスの泉のある山で生活している。

 一種のとりでのような状況になってきたわけで、腕に自身のある俺のようなやつは、たまに警備として山に呼ばれることがあった。あ、俺は普段は自分の家で生活しているぜ。

 魔力の影響で強くなった魔物といっても、俺ほどの実力があれば、100ぴく程度で襲ってきても、やられはしないだろうからな。

 もっとも、魔王がキンゴール城に攻めてきたときに、見た魔王の恐ろしさは、いくら俺が強いといってもどうしようもないものだったが・・・。


 まぁ、ともかく俺は定期的に呼ばれる警備に今日も行っていた。

 滅亡暦2年の夏のことだった。


 俺の名前はライス。

 武道の名家、ユビリアン家の長男、ライス・ユビリアンだ。

 

 正直、俺にとって今の世界は最悪だ。

 世界は完全に魔王カイサー・フェルティスの支配下に置かれている。

 もちろん、人間社会の行政なんて全てぶっ潰された。

 立ち並ぶ店も全てしめられちまってる。 昔はあんなに栄えていた城下町。

 懐かしいね、5年前までの活気ある町の情景がよ。


 おっと、世界観が分からなかっただろう?少しだけ説明を入れておくことにするよ。

 そうだな、魔王に攻められるまでの俺達の世界は人間の王による統治だった。

 絶対王政だ。

 とはいっても、王は俺達民衆のために明るい国家を築いてきてくれたぜ。

 俺の国名はイタリス。

 150年前からこの前まではずっと今の王家が支配してたんだ。キンゴール王家。

 あの、威厳のあるキンゴール王が誰かに敗れることがあろうなんて、イタリスの国民誰も思いはしなかっただろうな。

 城下の町並みはヨーロッパ風だと思っといてくれ。

 正直、うまく説明できねぇが、石路地と、きな臭さが織り交ざり、市場に出たら、多くの貿易商なんかが常にごったがいしてる活気ある町で俺は育ったのさ。

 

 魔王が王城を攻め落としたときの話はまたの機会にするとしよう。

 今回の話は、俺と、後に勇者と呼ばれる少年、ユヒトとの出会いについてだ。

 



 魔王が世界最高の武力を持った俺達の国、イタリスを制圧したのが、滅亡暦0年。

 これまでの年号である王国暦1312年の年号は消され、魔物どもによって、それを言うことも禁止されている。その後に人々は何の流れかはわからねえが、滅亡暦という年号を使うようになった。魔王に対する皮肉からそうとでも言っているのだろうか。

 まぁ、そんなことはどうでもいい。

 とにかく、滅亡暦0年から魔王統治の世界となり、俺達は慣れない生活を送ることになっていた。 

 元々、魔物と呼ばれる人以外の亜人種と人とは対立関係にあった。ただ言えることは魔物は人に比べると暴力的で、交友関係に持っていくことは不可能だったんだな。そうはいっても、俺達人間は武器の扱いにかけては決して魔物に劣らなかった。

 魔者達は魔法やら、怪力が得意だったようだが、俺達人間は強力な銃や剣などの兵器を大量生産し、それをうまく扱うことで魔物とはお互いに牽制しあい、いざこざも、少なめにやってくることが出来ていた。


 ただ、魔王が制圧してからというもの、魔物の魔力が急激に上がるという現象がおこり出した。

 世界が闇のエネルギーを基本としたものに変わったって話があるが、俺にはよくわからねぇ。

 魔力の上がった魔物たちに、俺達人間は完全に負けていた。

 兵器を多用しても、人間が負けちまうんだ。まぁ、俺は武芸の名家ユビリアン家の長男の名にかけてそこいらの魔物には負けなかったがな。


 魔物の魔力が上がり、魔王の掲示(1、己の欲望に従うこと 2、他人のための行動はしないこと 3、闇の心を育てること

 )もされた。これにより、魔物たちが調子づいて、人間達との争いが急激に増加してきたんだ。

 俺達は反発はしたが、魔物たちの進行が止まるわけはない。

 次第に強くなってくる魔物たちの勢力に、俺達はどうしたらいいのか分からず、ただただ、苛立ちを覚える毎日を過ごすしかなかったんだ・・・。

 

 

 こんにちは、メイです。

 中々話が進みませんでしたが、今回もあまり進まない感じです。

 でも、このノビノビ感はいつまでも続くと思いますので、気にしちゃ駄目ですよ☆


 今の世界は魔王様によってすべて制圧されています。

 でも、今の世界になるまでは、つまり、355年前までは全然闇の世界ではありませんでした。

 人間の世界、いわゆる光属性の世界だったんです。

 

 魔王様がどのようにして力をつけたかはまた別の話になりますが、今回は世界を制覇した後、魔王様が魔王さまたる地位についた後にやってきた人間達の最後の切り札の話になります。

 魔王様ほどの闇の力をもつ存在が世の中に現れると、それに比例して光の力を持った何かが現れてきます。

 今回のそれは勇者に当たりました。


 今から330年前、魔王様が世界を闇で統治した5年後の世界。

 世界はまだ完全にまとまってはいませんでした。

 どうまとまっていなかったかというと、人間の心に希望の心が大きく残り、まだまだ魔王様への反逆を大いに考えていたということです。

 魔王様にとっての世界を完全に統治するということは、そのような心をすべて排除した上で成り立つものでした。

 しかし、人間の基本性質は中々強いものであり、それを取り除くことは難しかったらしいのです。


 いうなれば、自分達の可能性を信じることの出来る人間達は、いくら闇の力で掌握しようとも決して屈することがないように思えたらしいのです。

 個人個人の意識を魔王様の魔力で魅了することはできても、次から次へと生まれてくる人間全てにその意識投降を持ちかけるには中々手間のかかることで、そこまでするべく事にもならなかったそうです。

 そして、何より魔王様は純粋な欲望を何よりも好まれます。

 魔王様が、知り得ない欲望を大いに奮ってくれる社会を作っていくためには、一方的に精神汚染の魔力で人々を掌握しても、なしえないことだったのです。

 

 ならば,どうすればよいのでしょう?

 闇の力に比例してある程度大きな力を持ち育った一人の若者。

 人々は次第に彼を勇者とたたえ始めます。

 しかし、比例して大きくなった力である勇者ではありましたが、魔王様の圧倒的魔力は、自然の摂理も逸脱していましたので、それに追いつくにはいたっていません。

 もしかしたら、それは無理だったのかもしれません。


 ほっておいても問題はなかったかもしれません。 

 しかし、魔王様は勇者を叩くことにしたのです。

第2話 「魔王の倫理」



 こんにちは、メイです。

 今日は魔王城の中を散歩しています。

 この魔王城、中世のヨーロッパの古城だと思ってください。

 基本は石で出来ています。お城はとても広く、大小さまざまな部屋があり、ざっと部屋数だけで行くと3000ほどの数になります。

 廊下も長いです。廊下には、石造やら、誰かの絵やらが飾ってありますが、決してきらびやかなものじゃありません。全体的に光が入ってこないつくりになっていますので、暗い気分になりがちです。

 でも、基本好戦的な魔物さんたちが多くすんでいるこの魔王城で、気分が上がると皆さんの互いに殺し合いを始めていしまいかねないので、暗くて落ち着くこの空間の方がいいのかもしれません。

 私の部屋は3階にあります。

 魔王城は何階まであるのか5年も住んでいていまだに分からないのですが、魔王様の部屋は、一番最上階だと聞いたことがあります。最上階といっても、普通に階段であがっていけるわけじゃないんです。お城の中は魔力で仕掛けが作られていて、ある程度の階までは階段で上れるのですが、それより上は、何かしらの魔法を使わないと行くことが出来ません。

 魔王様のお部屋に入ったことある魔物さんはいったい何人いるんでしょう?

 私が知っている中では竜騎士のヘルドラグーンさんくらいしかいません。

 ヘルドラグーンさんが言うには、「何もない部屋だったが、魔力の充満は恐ろしいほどだった。私には、長時間あの部屋にいることすらままならない。」だそうです。

 

 魔王様は人間で言うところの人のために動くということを許しません。

 私がこの魔王城にやってきたばかりの頃、メイドをしろということでしたので、掃除でもしなければいけないのかと思い、お城を掃除していたのですが、掃除をしていることを魔王様が知ったとき、とてもひどい仕打ちを受けました。

 そのときの仕打ちはいまだに私の体と心に深く残っています。それだけ、魔王様は人にとっての一般論は通じないのです。

 世界が魔王様の配下になった時、魔王様は条約を全ての生物に知らしめました。

 魔王様の魔力があれば、心に直接メッセージを送ることなど造作もないことなんです。


 1、己の欲望に従うこと

 2、他人のための行動はしないこと

 3、闇の心を育てること


 この3つが伝えられたと聞きます。

 これは355年も前のことなので、私は知りませんが、生物は魔王様の意思に反しないようにこのことを肝に銘じて、子孫代々にも、表面上はこのとおりに行動するように伝えられているのです。

 だから、人間達もこのおきてに背いた行動をしないようにしないと、魔物にそのようなところを見られた場合、即座に食い殺されてしまいます。とはまぁ言っても、魔物も気ままに過ごしていますので、人を食いたいときに食いますし、寝たいときには寝ているので、人は人なりの倫理はなんと会までも持ちながら細々と暮らすことが出来ているようです。

 魔王様は破壊よりも闇の心を好まれるようです。

 お話を聞いたときに、「生物の欲望の赴くままの感情に触れたとき、私は最も心地よい。」とおっしゃっていました。

 私は、自分で言うのも何なんですけど、私自身、人間にしたら闇の心が大きくなりすぎていると思います。元々、そんな人じゃなかったと思いますが、この魔王城に来て5年。私の心は魔王様と会うたびに、少しずつ変わってきているような気がします。

 このまま行くと、私の思考は魔物さんたちと何ら変わらないものになって行きそうです。

 

 私にとって、今一番大切にしなければいけないものは何なのでしょう?

 魔王城での赴くままの生活をしているにつれて、何か大切なものを失っていくような気がしてなりません。

 でも、私にもそれは漠然としすぎていて、どうしていいのかも分かりません。

 今はただ、毎日の生活は楽しいので、その生活の心地よさに浸っていたいです・・・・。




mei

  ↑ メイ



第1話 「魔王と少女」



 こんにちは。メイです。

 前にも言ったとおり、私は魔王城でメイドをしています。

 私がメイドになって、はや5年、ここでの生活にも結構慣れたかな?

 魔王城には1200人からのエリートの魔物さん達が住んでいる中、人間は私と、もう一人、シセルという女の人だけです。

 メイドといっても、掃除とか、食事をするわけじゃないんです。

 まじめに働くことは大魔王カイサー・フェルティス様が嫌いなので、私はいつも気の向くまま、赴くままに魔王城で過ごしているのでした。

 普段していることは、ペットのトカゲのヨカゲに芸を仕込んだり、魔物の皆さんと決闘をして遊んだり、ムフフなことをしたりしてます。あ、後テレビとかゲームもあるので、ピコピコやってます。これらのことは全部私がしたいと思ったときにしたいことをやっているってことなんです。

 でも、こんな楽な生活をしてて、いいのかなぁ、なんて思うことがたまにあるのです。でも、そうしないと、魔王様はとっても怒っちゃうので、仕方ないですよね。

 あ、あと、何でメイドという分類になるのかというと、私がメイド服を着ていることと、倫理が反転したこの世界でのメイドの仕事が今の私のやっていることになるからなんです。よく分からないかもしれませんが、そういうことなんですね。



 魔王様はとても高貴なお方です。話し方とか、私は真似できません。

 今日も、魔王城のヘル・ロード(決闘用の廊下)で魔物さんたちと勝負をしていたら、魔王様が通りかかりました。

 ヘル・ロードは殺しをしたい、暴れたいなどの衝動が出てきた魔物さん達が、戦う場所です。本当は気が向いたらどこで戦ってもいいのですが、戦いを見たい魔物さん達も結構いるので、自然な流れで、スペースの広いこのヘル・ロードでの決闘が日々行われることになりました。決闘に負けたら、殺されても仕方ないのですが、私は魔王様に目をかけてもらっている人間だと魔物さん達も分かっているので、殺されません。でも、本当は私も殺されないと魔王様の理念に反するんじゃないかと思ってしまいますが、やっぱり死にたくはないので、そこはいいですよね☆


 「えい!!私の勝ちですね☆」

 「グフッ!!やるな、メイ・・・。俺の負けだ・・・。」


 私のレイピアがリザード系の魔物ののど元に向けられています。

 私も強くなりました。日々の決闘の末、エリートの魔物さんたちにも追いつくほどの剣技を身につけたんです。

 勝負の後、殺すか、殺さないかは私が決めるんですが、私は死ぬところを見るのは気持ち悪いので殺しません。

 魔物って、死ぬと、とても臭いし、大きいので死体の処理をするのも大変なんです。

 勝負がついた時、魔王様が話しかけてくださりました。

 その声は魔力を帯びているようで、声を聞いただけでも震え上がりそうです。


 「メイ、力をつけたな。」

 「あ、魔王様!!ありがとうございます!!」


 魔王様は人に似た形状の魔物です。赤く長い髪。きりっとした鼻、そして、黒いその目は見るだけで私の力なの無さをいつも感じさせられてしまいます。


 「メイ、お前の中の闇の力、弱弱しくも、気高く薄青く輝くその力、磨きをかけること忘れるでないぞ。」

 「は、はい!!わかりました!!」

 「フ・・・・・・。」


 うっすらと笑いを浮かべて魔王様は去っていかれました。

 その、圧倒的存在感が去って行く姿を私や他の魔物たちもボーっとした目で見ているのでした。

 魔王様が私に何を求めているか、今はまだよく分かりません。

 魔王様のせいで、世にいる人間は本性とは違う倫理の元暮らしているのも事実です、でも、私にはどうも魔王様を憎むことは出来ないようです。

 私のような小娘には魔王様の思想に追いつくことは難しそうでした。

 

やります。


長編になるかどうかは分かりませんが、物語書きます。

うまくいくかどうかは分からないけど、とにかくやります。



~序章~

 世界は魔界の闇に包まれています。これは全て大魔王カイサー・フェルティス様の力の賜物です。

 それまで暮らしていた人間達はとても肩身の狭いものになっているのではないでしょうか?

 世界の命運をかけた人間と魔王様との戦争で、多くの人間が死にました。

 魔王様にとっては全ての人間を殺してしまうことも簡単だったのですが、そうはなさいませんでした。

 残った人間の数はもともとの数の20分の一程度です。

 残った人間達は俗に言う、奴隷になったわけではありません、ただ世界の正義は反転したのです。

 他人を思いやる、助ける、自分の欲望を抑えるといったことは全て大魔王様が許しません。

 魔物と呼ばれる人とは異なった種族の者たちがいます。この者達は力は人よりも数段強く、元から狂気に満ちた性格の為、世界の倫理がこのように変化したことに非常に喜んでいるようです。

 人間達は狂気の世界の中、圧倒的な力を持つ魔物たちに食い殺されないよう、自分達も力を行使して行くしかありませんでした。

 大魔王様の心中は全て狂気に満ちています。

 私達は大魔王様の力の前では無力に等しいので、変わった世界の中での倫理の中生きていくしかありません。

 

 そういう私は人間です。

 名前はメイといいます。

 魔王城でメイドをしています。

 なぜ私がこんな場所でメイドをしているのかというと、まぁ、色々あったのですが、今は置いておきましょう。

 しかも、魔王様は、私のことを気にかけてくださるので、中々大変なんです。

 つまり、気にかけるということは、私は人間でありながら、自分の欲望を全面的に押し出しているように振るまい、魔物のように行動をしないといけないのでした。そうしないと、魔王様が怒ります。魔王様がお怒りになると私の命なんて、一瞬にして消し飛んでしまうので、逆らうということすら考えられませんでした。


 これは、私、メイが魔王城で働く中でのお話です。

 世界は闇に落ちてから、既に355年がたった時代でした。

 私は17歳なので、元から世界は闇の中としか知らないので、元からある平和とは何なのかよく分かりません。

 でも、人間が本当に望む世界は平和な世界と言うことだけはずっと語り継がれていることなので、やっぱり平和な世界を知りたいかな。


 

 

大して頭の回転も速くないのにいろいろ下らんことをまとめなく書いていると、何を言いたいのか全く和歌乱用になってくる。おそらく修正がかなり必要であろう以下の分であるが、まぁそれなりに後で読んでも面白いだろうと言うことで乗せるだけのせとく。

・ニューラルネットとフラクタル
 コンピューターを生命システムの一端と考える時、生命としての定義とも言える進化、または学習の機能が絶対的に必要になってくる。何故なら、現状で能力があるというだけで何も行動もせず、変化もしないのなら、無機質の石ころと何ら変わらないからである。なので、コンピューターには学習していってもらわなければならないが、現状のコンピューターでは人間が学習するためのデータを入力して、やっと変化するのが関の山である。これでは当然生命になろうはずが無い。コンピュータが自らの意志で情報を多義的に集めるようにならなければならない。
 私が知っているコンピュータの学習システムにはニューラルネットくらいしかない。これは人間が教師信号を与えることにより、数個のデータから答えを導き出すシステムであり、言うなれば数学的仕組みである。統計学の元に作成されているといっても過言ではないこのシステムだが、見方によっては人と何ら変わらない。私達人も先人達と言う教師信号から考え方などの複雑な処理を学んできたのであり、自分で生み出したものと言えば教わったことごとの組み合わせにより自分と言うものを形成して、自分なりの考えを作ってきたと言うことになるのであろう。これも、結局は人の思考を数字的なものに置き換えることが出きるならば、コンピュータにも学習できるつながりが生まれてくると考えることが出きる。コンピュータの処理能力は上がってきているだろうが、所詮それは前期信号の扱いが早くなっているだけなので、1+1が10秒から1秒になった的な進歩の仕方である。人はこの形になるまで生命の誕生から何億年もかけて変化してきたのであるから、できた手のコンピュータに損な大それたものを望んではいけない。当然、人間にはマダマダ追いつけない存在なのだ。
コンピュータが生命たるまでに必要なこと、それは組み合わせ爆発の回避が第一目標で無いだろうか。この問題を解決することが出きれば、コンピュータは少しずつ、問題定義をコンピュータ自身の手で実行していくことが出きる。何故なら、あらゆる事象の組み合わせを自らの上で短時間で処理することは、人の経験則からの思考と告示するからである。これをなす為には現状で私が思いつく主題では繰り返ししかない。つまりフラクタルだ。事象の網羅に網羅を重ねてその関連性を示していった時、その構造はフラクタル的になっていくのではないだろうか。つまりは、事象と言う点と点がフラクタルの角にあり、その角どおしの距離が関連性だとしたら、完全に網羅を重ねた後での関係はまさにフラクタルとなり、最短距離を見つけるにはもってこいの図形となることであろうと思える。このフラクタルと事象の関連ずけは単なるイメージに基づく思考でしかないが、この図形を見た時、何ら貸しの神秘的、もしくは生命的躍動感を感じることが出きるのは、網羅と言う生命がたどってきた道を見ているからなのではないだろうか。
私は、コンピュータを人と同様の思考を持たすことが出きれば面白いと思う。そのために、今思うことを知識が無いながらも書き綴っているが、更に生命との告示を目指すには遺伝的アルゴリズムの方面にも思考を持っていかなければならないと考える。

・カオスと生命システム
混沌の意味であるカオスについて、少しの誤差的なものでも自称を広げていくことでとてつもなく大きくなってくる事を授業中に聞いた。そこで、生命の進化の過程にカオスがかかわっていることには否定の余地は無いと思えた。以下、構想をつづる。
 生命の期限が酸素を取り込む化学反応がある物体の発生だとしてもそこから知的生命体である人類荷まで発展するなど神でも創造できるものではない。カオスになぞる僅かな通常の無機質とは異なる反応と、膨大な時間をかけたとしても、まだ理由としてはおぼつかないと思う。しかし、宇宙全土でも極めてまれに見る反応として生命が進化した地球があるという、地球がカオスの一端から始まった異例の存在として考えるなら、何とかして認めることが出きることが出きる。ものすごく低い可能性の内かならなる生命に自分が到達しているなど動転境地も甚だしいと思えるが、そこは我思う故に我あり、自分が存在するからこそ認められる異常な確立の上での個人の存在なので、どうしようもない気がする。
 偶然の賜物で今の地球が存在すると言う考えは情報工学的ではない。そこはやはりカオスなのである。混沌ではあるが、必然なのである。宇宙全土と言う広い視野で見た時、生命誕生という一端の仮定はカオスの少しの誤差がどのようなものにもあり、それを膨大に広げればとてつもなく大きくなると言う必然の元に成り立っていると考えることが出きる。そこまで考えることが出きる我々人類がこれまで同様、カオスの一部として不意にフットはかないものをもみ消すかのごとく絶滅して何も残らず、他のカオスによるところで更なる発展を願うしか出来なくならない様になるにはどうしたらよいのか。それは、カオスの持つ小さな事象でも発展後に爆発的な力を持つという特徴をいかに利用していくかにかかっているのではないだろうか。私は情報工学という思考を無機質に移すと考えることも出来る一見カオスの一端にもなるかもしれない分野にこそその答えがあるのではないかと考える。