前回からの続きです。
明治維新に大きく貢献した西郷隆盛は、『言志四録』を座右の銘として愛読し、その中から101条を選んで『南州手沙言志録』として残しました。常に肌身離さず持っていたといいます。
この『言志四録』は『佐藤一斎』が書いた書物で、志を立て、自分の運命を切り開き、世のため人のために尽くさんとする”指導者のためのバイブル”といわれて、現代まで読み継がれています。
『言志四録』は、下記の四つの書物の総称です。
『言志録』全246条
1813年(42歳)~1824年(53歳)
『言志後録』全255条
1828年(57歳)~1838年(67歳)
『言志晩録』全292条
1838年(67歳)~1849年(78歳)
『言志耋録』全340条
1851年(80歳)~1853年(82歳)
この言志四録で有名なのが『三学戒』です。
少くして学べば、壮して為すあり 老いて学べば、死して朽ちず ~言志晩録六〇条~
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一度は聞いた事がある人は多いのではないでしょうか?
平成13年5月、小泉首相が教育関連法案を参議院で論議している中で、佐藤一斎の『三学戒』を述べたことで話題になりました。
“子供ころから学べば夢を実現できる、大人になっても学べば衰えることはない、老年になってからも学べば死んだ後も、次の世代に受け継ぐことができる”という事です。生涯勉強することの大切さを教えてくれています。
佐藤一斎は、四書五経を年少の頃から学び、特に易経を好んだそうです。昌平黌の儒官(東京大学総長のような立場)として、佐久間象山、山田方谷、横井小楠、中村正直など6000人を教育しました。
佐藤一斎は老齢だったため、明治維新に直接関わったわけではありませんが、その思想を受け継いだ志士たちによって、明治維新という偉大な業績を成し遂げる事ができました。
見方によっては、佐藤一斎こそが明治維新の本当の功労者かもしれませんね。
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