感動をどう書いていいかわからなくて時間が経ちましたが・・

ノッテステラータ最終日生配信と、初日のディレイ配信(仕事中だったのでカルミナのみ)を見ました。

なんか、羽生結弦の神髄見ちゃった気がする・・

なんて安っぽい感想しか出てこないけど、やっぱり凄い。クラッシックで滑る羽生結弦。

 

羽生氏自身は、クラッシックはあまり近しい存在じゃないと以前語ってたと思うけども、もしかしたら、近くないからこその良さ、なのかなあ。

彼の技能の生かされ方や、作品との距離感が絶妙だなっておもう。

 

ところで、羽生氏にぜひカルミナをやってほしい、っていうファンの意見は昔からあったけど、こういうのを想像した人はいたんだろうか?

私は漠然と運命の女神側を演じるとばかり思ってました。

人間の男の方だったとは。

(言ってることがちょっとバグってるw)

 

好きなのは、女神こと大地真央に誘惑される場面。

どのアクションも二人の動きがピッタリ合っているし、まさに紐で引っ張られて操られているみたいで何度も見ちゃう秀逸さ。

「進みたいのに進めない」という滑りの表現も面白い。こんなの初めて見た。

 

それにしても、鳥の声に「春」のフルートを繋いでからの「森は花咲き繁る」「この上なく美しい女」「終曲」ってのが神編曲ですよね!

春=震災のあった時期に、鳥のように跳ね回る10代の羽生氏のイメージを重ねつつ、原曲で描かれてる人間の生命力や猥雑さもちゃんとふまえてて最高。

 

あとね、冒頭の振り付けがいつもの「ルーティン」をちょっと崩したものだったのも面白かった!

なるほどその手があったか。

 

 なお、カルミナ・ブラーナの解釈については手っ取り早く解説動画をどうぞ。

白鳥の話も出てきて、なかなか良いです。

 

 

全曲聴くならはやはりこれかな。

小澤征爾 日本語字幕付き。

 

 

ダニー・ボーイ

カルミナの衝撃も凄かったけども、より心から震えたのはこちらかも。

 白鳥や春よこい、ハク様、それからレクイエムも、彼のこのようなプログラムは「人ならぬ何か」を表現していたことが多い気がするんですが、この曲は生身の人間・羽生結弦として逃げも守りもしない真心という感じで没入感がすごい。

きっと勇気のいることだと思うけど、叶うことならずっとずっと、ショーを続ける限りレパートリーにしてくださいお願いします。

 

この曲は、私の中では「ブラス」っていうイギリス映画の中で、入院した指揮者のためにバンドが病院の庭で演奏するシーンがとても印象的だった。

(最近日本のドラマでも似たようなのがあったな。)

 

そしてフィギュアではなんといってもハビちゃんのイメージ。

いかにもハビらしい北米ぽいヴォーカル入りで、あの高い音のところでイナバウアーを見せてくれるのが素敵だった。

当時羽生氏は21歳くらいだったかな?あの時は彼がこういうのを滑るなんて全然イメージできなかったけど、昨年の「サブスク堂」でこの曲が話題に上がった時は、

「今ならイケる!ダニー・ボーイ来い!来い!」

って思った。

月日の流れが感慨深い・・。

振り付けはデイヴィットですかね?

 

ジャンプのあとに足をちょちょいっとしてすぐにスピンに入るのが好き。(語彙力)

衣装も好き。真っ白で、キラキラしてて、でもボロボロなの。そして潔いオールバック。

これまで力強さ男っぽさを演じる時にやってたオールバック、この曲だとシンプルさの極みというか、もはや演じるためではなくて、羽生結弦の真心を見せるためのミニマムな姿って感じがする。

 

ステップのひとつひとつ、回転のひとつひとつが、音に合ってるとかそんな次元ではない音楽そのものと感情の重なりに見える。

この曲はいろんなバージョンがあるけども、このピアノの演奏の「間」が素晴らしく良いし、ほんとにこの曲と出会ってくれてありがとう。サブスク堂もありがとう。