特に男子フリーの神大会っぷりは凄かったなあ。

昌磨の音楽表現の達者さは言うに及ばずだけど、今回特に強い印象を残した演技はなんと言っても友野くんだった。

もともと足し算の演技に優れたところに、音楽をそのまま表現していく引き算の音楽表現が加わって、より洗練されて、びっくりするほど美しさが増し増しで、一段と彼の演技が好きになったな。

たぶん私はこのタイプの演技に目がないのね。


もちろん、競技としてその美意識と競技的な点の取りやすさとをどう塩梅するかは彼自身の目指す方向性や適性はもちろん、振り付け師の感性や陣営の戦略もあるんだろうし選考結果も妥当だとは思う。

でも20代半ばになって、あのようなほんまもんの美が輝き出した時に往々にしてその内容が点数に繋がらなくなるという競技のジレンマはつくづく残念だと思うし、日本男子群雄割拠すぎて友野くんが今季の試合でもう見られないかもしれないのは残念すぎるな・・

あ、もしや、国体がありますか?


さて競技者として最強だったのは鍵山くんかな。

考え抜かれ、ひとつの無駄もない仕上がり。自我も主義主張も欲も昇華して冷徹なほど競技に徹することができる、ネイサンイズムの継承者だわね・・という思いを強くした。

勝敗にこそ敗れたけど、事実上は日本男子最強なのでは。(つたわれ)


三浦くんの世界選手権は胸アツだなあ。

鍵山くん同様理知的な面もありつつの、そこに徹しきらずに最後は理屈で説明できない情熱で自分を燃やし尽くすところは羽生氏のマインドを受け継いだような感があり、少々荒さはあっても観客の心を動かすんだよね。


女子は坂本っちゃんが最強すぎて何も言えねえ。

キャラクターも含めて、真に歴代最強って感じがするなあ。


そして千葉百音ちゃん。

ちゃん付けしちゃ申し訳ないような美しさ神々しさ。神々しいといっても近寄り難くは無くて、氷上に立つとすっと観音様か何かが降りてきて後光がさすような、そんな感じ。

10代の選手にこういう美しさを見たのは宮原さん以来ですよ・・

衣装の輝きと演技の動きと音楽の動きがぴったりあっていて、そのコラボも作品としてとことん美しくてゾクゾクしました。


世界選手権デビューがつくづく嬉しい。

頑張っていい成績を残してほしい、というのとはちょっと違って、「世界じゅうのフィギュアファンに演技を見てほしいから、そのためにいい成績を残せたらいいよね」って思うような選手。


全日本王者二人はまあ別格としても、友野くんと百音ちゃんは今一番見応えある現役選手だと思ってる。

スターズに出てくれたらいいなあ。羽生氏もね。