ずいぶん感想遅くなっちゃいましたが・・

4日は、中学の同窓会でして・・

すぐに帰ってCS録画見ようと思ってたんですけど、元ヤンキーの皆さまと35年越しで意気投合してついつい飲み歩いちゃいましてw


幸か不幸かなんの情報もないまま、5日の夕方に娘と一緒に見ました。

いやいや、今回もいいショーでしたね・・

(何その簡単な感想)


娘はアンダーテールで爆上がりしてましたが、アンダーテールもFF9もエストポリス伝記Ⅱも未プレイの私にも、別に問題なく伝わったような気がする。


どんな道を辿っても、巡り巡って行くべきところに辿り着くし、無限に分岐しながら繰り返しながら、あなたもわたしも皆同じような因果応報に翻弄され、互いに影響されながら人生をめぐっているというか。


これやこの 行くも帰るも分かれては 知るも知らぬもあふさかの関


みたいなもので、行き交う人、生と死、皆が抱える闇なり光なりが交差する瞬間がこのショーなんだな、というようなことをぼんやり考えました。


そして、そういえば今回のショーには舞台装飾のようなものが何もないな、って思いました。広告も設置されてないし、ステージもなければ、ましてや「手」もない。

プロジェクションマッピングもゲームのデータも実体があるわけではなくて、ショーがおわって客電が点けば、何ひとつ残らない。

能の松風じゃないけど、「氷ばかりや残るらん」っていう無常感をすごく感じたショーでもありました。

でも彼のショーは、その瞬間には確かにそこに命があって、たとえかりそめでも、何かがそこに生きていたという記憶はいつも強烈に残る。


GIFTの「水平線」もそうだったけど、今回も特にラストの「私は最強」のアドリブが素晴らしいなと思っていて。

きっと体力も気力も尽き果ててると思うんですけど、だからこそ意図でも演出でもなく、ただそこにある羽生結弦の魂が具現化しているように見えて、水色のパーカーも含めて本当に美しかった。


それを賞賛するのは残酷なことなのかもしれないけども、でもそういうギリギリのエッジに立つことができる人間が芸術家の宿命を背負ってるのであり、羽生結弦はその一人なんだと私は思ってます。


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さて、感想があらゆる方向にとっ散らかりそうなので、とりとめないけど順不同で思いついた順にいきます。


後半の「いつか終わる夢」

今回一番好きな演技。

羽生結弦の一つの到達点みたいな感じがする素晴らしい作品だなあと思いました。

後半に前半と同じ音楽を繰り返して、かつ最初とは違う感情を表現するってのはクラッシックの伝統的な手法ですけど、時間や構成の縛りのある競技でそういう表現をするのは無理だろうな、でも、羽生氏がいつかそういう曲想をスケートで演じたらどんなに凄いだろうな、見てみたいな、ってずっと思っていました。


アレンジも映像も、その音楽が示すとおりの世界を具現化する羽生氏の演技。含めて素晴らしかったな。


全然関係ないけど、私はこれを見てシューベルトの「ます」を思い出しまして・・

私はこのショーをこんな感じに受け止めたという一例として貼り付けておきますね。



学校でも習うと思うので説明不要かもしれないですけど、これはシューベルトが20歳くらいの時に作曲した歌曲「ます」を、数年後にピアノ五重奏曲の変奏曲として自身がアレンジしたもの。

実は先日生で聴いてむっちゃ泣いたんですよ。


鱒が泳ぐ川に釣り人がきて鱒は捕まり、見ていた詩人が悲劇的な感傷にひたる・・ってのは歌曲版の「ます」のストーリーですけど、ピアノ五重奏バージョンはそこで終わらず、捕まった鱒がゆらゆらと燃える暖炉でこんがり焼かれて、釣り人の家族の楽しい団欒に供されて、そしてまたいつもの川に今日も鱒が泳いでいる、というところまで描かれてる気がしました。(個人の感想です)


特に最終変奏はテーマである「ます」のメロディに戻って、ヴァイオリン、ヴィオラ、ピアノ、チェロが順番に演奏するんですけど、鱒も人間もその他の動物も同等の業を負った存在として、何かに生かされているのだと言ってる気がするんですよね。


「いつか終わる夢」と「いつか終わる夢:RE」の関係近いのではないかな。もしかすると。


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ラスボスプロ

6分間練習で、「俺の決意がやっと出せる」ってセリフのところで浮かんだ表情が2019年世界選手権フリーの時に見せた禍々しい顔にそっくり。

場所も同じさいたまアリーナだし、衣装も似てる。

当時の自分の千々に乱れた感情を自覚した上で意図的に演出してるんだろうなと、その冷徹さに戦慄しましたね・・


RPGのラスボスは、最終形態になると、ちょっと宗教曲っぽい静かな音楽になるのがお約束なので、FF9は知らなかったけど、「これ絶対ラスボス最終戦じゃん!」って、娘と盛り上がりました。


しかしまあ、セーブできずにデータ壊れるとは、いにしえのファミコンあるあるネタw

昔はケーブル引っかけてブチっと切られるのも含めて、パソコンでもワープロでも、ほんっっとに日常茶飯事だったし誰にも同情されず、一人で「あああああああ」って頭抱えながら笑うしかない悲哀w

当時のパソコン雑誌の漫画とかのネタにもなってたよなあ。


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ホプレガ

当時、3Fの美しさに惚れたのがこのプロなんですけど、今回は一段と美しかった。

スケートに特に興味ない母は、この日のどの演技よりも、この3Fに感嘆してました。

彼はエッジエラーもあって、競技では少し不得手なジャンプだったのかもしれないですけど、それを克服する苦労があったからこそ美しいんだろうな。


終盤のスピンは、白い衣装の腕が星の光みたいに輝いてましたね。

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アンダーテールの曲のプロ

スピンだけというのも凄いんですけど、演技自体がうつくしかった。

無音の部分も含めて。


娘曰く「こんなにメジャーなゲームの曲なのに曲がかかっても客席盛り上がってないなんて、羽生かわいそすぎるw」

だそうですけど。

たしかに、この曲知ってるお客さんは少なそうね。

(私も知らないし)


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ロンカプの編曲


競技プロのロンカプの編曲は、とにかく勝つために作り上げられた、棘のついた鎧みたいな曲でしたよね。

マリオカートとかに出てくるクッパみたいな。(もう少し美しいイメージはないのか)


今回はカットされてた長調の部分も戻して、たぶん清塚さんが感じる、人間:羽生結弦を表現したんだろうなって感じで、なんだかすごく安心したし、清塚さんもこの曲を、ひいては羽生氏の演技を冷たいイメージから解放できてホッとできたのではないかなあと想像する。

なんにせよ、今回の演奏のほうが清塚さんらしい良さが出ている気がするし、羽生氏のこれからの人生が、厳しいだけでなく明るさ優しさがあってほしいという願いがこめられているんだろうなと私は感じました。

(武部さんのGIFTにも同じことを感じてる。)


とりとめがないけど、こんな感じで。