2週間もまえの話ですが、アップしそびれてたので今更。
小石川後楽園から見えるドームの屋根
なんかすごい岩
後楽園駅近くの小さいホールで息子たちの学生オケのコンサートがありました。
開演までに行きたいところはないかと娘にきくと、なぜか「小石川後楽園」と・・(なぜ?)
庭園内は大盛況で、半分くらいが外国人観光客でしたかね・・
満開のしだれ桜の向こうにででーんと東京ドームの屋根が見える珍景色をもれなく写真に収めてる。
このチグハグ加減が東京っぽい、日本っぽいんですかねw
昔は「えええええ・・」と思ったこの景色も、GIFTを見た今となってはむしろ美しくさえ見えるんだから、人の心も美意識も、しょせん、あてにならんものです。
そもそもこの庭自体、京都や木曽を模してるのに中国風庭園とかいう謎コンセプトで、やたら広大な敷地に、巨大な岩とか溶岩とかが散在していて、どことなくトンチキ臭が漂う。(けっこう好き)
こんな庭を作った水戸光圀なら、東京ドームの屋根も好きだと思うな。たぶん。
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さてコンサートのほうは・・
小編成で古典派中心のプログラム。
演奏って、特にアマチュアの場合は自分と音楽との関係を晒すということに尽きるんじゃないかと思っている私としては、自分の音楽を晒す覚悟のある学生さんがたくさんいて、楽しいオケだなと思いました。
特にチェロの男の子。
たぶん大学になってからチェロを始めたんだろうな、って感じで音程やテンポはちょっと怪しかったんですけど、音楽への理解があって、明確な意思もあって、個性的なキャラと、音楽への没入感や情熱もあり、一際目を引きました。
ヴァイオリンの学生は、腕も良かったですが、彼女が出てくるとそこが「舞台」になる感じ。
「今日はどの電車で来たのかな」とか、「いつも練習頑張ってるんだろうな」みたいなことは一切想像させず、音楽に没入させてくれる演奏。
そして我が息子はファゴットパート。
たぶんオケの中で一番地味な楽器なのに、なんか目立つ。
一緒に聞いていた義母が
「ちょっと演奏中の姿勢が前のめり過ぎるんじゃない?隣の人はもっと普通に吹いてるわよ」
と心配するくらいに、腹立つ存在感醸し出してました・・w
そして
キャラ濃いチェロくんが音楽に没入して走りがちになると、腹立つファゴットはブレーキをかけるという感じで、マイペースな男どもにコンマス涙目・・
「いいから男子!コンマスの言うこと聞きやがれ!」
と思いましたw
アンサンブルならこのくらいの方が面白いですけど、オケはコンマスさんの言うこと聞かなきゃダメよ。
でもまあ、前にいたオケで虚無ってた息子が、久しぶりに高校時代のような活気を取り戻していたのはちょっとほっとしました。
コンマスさんにはほんとに申し訳ないけど・・w
というわけで、チェロがキャラ濃くてファゴットが腹立つ学生オケ、どっかで見かけたらよろしくお願いしますw
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さて、この日演奏されたのは、ハイドンの交響曲85番2楽章
私が勝手につけた副題は
「ダメ社員たち」
特に管楽器。
たまにフルートが出てくると先を争うように張り切るくせに、いなくなるとやる気がなくなって、隙あらばサボろうとする。
最後の方でブーーーってブーたれてるやつもいますね。
ハイドンの曲って、アメリカンポップスと一緒でどの曲もおんなじに聞こえるんですけど
「次はこう来るだろうな」
って予想してかかると、絶妙に外して笑わせてくる。
ピアノソナタとか弾いてても、毎回どっかで笑っちゃうんですよね。
CPEバッハもそういうところがあるけど、ハイドンはより狙いすましてる感あります。
とにかくハイドンはいい。
ハイドンにハマろう!
ハイドンの音楽にはごく普通の人の、褒められも見向きもされない人生模様があるし、そういう人生に気づき、肯定する思いやりもあるような気がするので、私は大好きです。