Nゲージ 失われた20年? が始まっていた2008年6月に、TRAIN MODELING MANUAL (トレインモデリングマニュアル:TMM)1号 が、プラモ月刊誌 ホビージャパン を発行しているホビージャパン社から創刊された。
Nゲージのコレクション化が進んでいるなかで、「模型を作る」工作派を取り込むため、事業拡張を企図した ホビージャパン社 が新規事業として鉄道模型雑誌を発刊したものであった。
プラモ月刊誌 ホビージャパン のMOOKという体裁で不定期刊ではあったが、2010年8月付の7号、2011年1月付の特別編まで、シリーズ8冊が発行された。
毎号の内容は特集と、車両やレイアウトの製作記事が基本で、製作過程がコマ割り写真で掲載され、読者が実際に工作するときの参考になるように誌面作りがされていた。
誌面割りは凡そイカロス出版の N に近いが、中上級者向けの記事が主体である。
各号の発行年月と主な特集は以下の通り。
・1号:2008年6月 … Nゲージ製作のすすめ
・2号:2008年10月 … デスクトップディスプレイ製作のすすめ
・3号:2009年1月 … 蒸気機関車入門
・4号:2009年5月 … ブルートレイン
・5号:2009年8月 … 特急列車
・6号:2010年3月 … 鉄道模型工作2010
・7号:2010年8月 … 塗装の基礎(カラーエッチングHM18種付き)
・特別編: 2011年1月 … レイアウト製作入門(DVD付き)
この雑誌には、今はグリーンマックスに所属しているレジェンド牛久保氏もアドバイザーとして関与しており、牛久保氏が要望した従来の鉄道模型誌とは異なる切り口の記事や鉄道以外のジャンルのモデラーによる作例は、本誌の特色ともなっていた。
同時期に、プラモ月刊誌 MODEL Art が鉄道模型雑誌を発刊(鉄道模型スペシャル)したが4冊で終わったのは、TMMと異なり、発行元がプラモ雑誌という特色を出せなかったからとも思われる。
特集以外にも、Bトレ、牛久保氏の工作基本技法、プラモメーカーのインタビュー等、他誌と差別化された記事は今読んでも興味深い。
Bトレについては、本誌のコンセプトからずれているような気がするが、新製品情報や組立、改造、それに開発担当者へのインタビューもあり、内容は充実している。
ホビージャパン誌がガンダムのプラモ記事を多く出しており、バンダイつながりと思われる。
インタビュー(7号:2010年3月)には開発の経緯や開発者の思い等も書かれ、中国の人件費高騰で採算が厳しいとのことであった。
その後、2018年10月にバンダイBトレは事実上の終了となってしまった。