その他のDynastes   | zojurasのブログ

世界の昆虫展で見た、ヘラクレスオオカブトムシの親戚達の紹介。

ヒルスシロカブトです。

グラントシロカブトの標本の下に

いました。

ネプチューンオオカブト。

 

ヘラに次ぐサイズのカブトムシとして有名で、人によってはこっちの方が好きだという場合もあるみたいです。

こちらはダイナスティスによく似た姿ですが、ずっと小さい上に、同じ中南米に住んでいるという以外には、あまり繋がりは無いヒナカブトムシの仲間。

左のヘラクレスに似たのはグランディスビロードヒナカブト Spodistes Grandis で、その隣がカラカネヒナカブト Agaocephala Bicuspis になります。

カラカネヒナカブトの隣のは、オオミツノヒナカブト Aegopsis Curvicornis 。

 

これらの変わり種種は形状だけが近いだけで、Dynastes系には近い種類では無いのですが、それでも面白いかと思えます。

ヒルスシロカブトムシ Dynastes hyllus

節足動物門 昆虫網 鞘翅目 コガネムシ科

メキシコとグァテマラに生息するダイナスティス(オオカブト)属の仲間で、形状から判るとおり、ヘラクレスオオカブトとは近縁の種類で、「ヒルスオオカブト」とも呼ばれ、名前はギリシア神話の英雄ヘラクレスの息子ヒロスから採られている。翅の模様に不規則に玉模様が入ることと、体色に艶が帯びる事から、「オオセマダラツヤカブト」とも呼ばれた。

シロカブトと呼ばれる種類(グラント、ティティウス、マヤ、ミヤシタ)では、最大種となり、体長は最大90mm近くで、サンタマルタ山脈には亜種のモロンシロカブトムシ(モロンオオカブト) D h moroni が生息している。

頭角、胸角ともあまり長くはならず、ややズングリとした体型をしている。体色は黃色が混じった体色や、黄金色に近い体色などに別れる場合がある。

 

ネプチューンオオカブトムシ Dynastes neptunus

節足動物門 昆虫網 鞘翅目 コガネムシ科

ヘラクレスオオカブトムシ Dynastes hercules に次ぐ体長のカブトムシと知られ、名前の由来はギリシアの神話の海神ポセイドンのローマ語での呼び方である海神ネプチューンの名から採られており、南米のペルー、コロンビア、エクアドルに生息し、ベネズエラには亜種であるローチオオカブトD n  rouchei がいる。

最大体長は150mmを越えて、ヘラクレスに次ぐ世界第2位となるが、角の長さではヘラクレスを凌ぐ程で、頭角の長さでは全カブトムシ類中最長となり、胸角と頭角が交差する時には擦れあい、その部分の毛が抜け落ちるとされる。脚部はヘラクレスに比べて短く、ヘラクレスよりも標高高低差と、やや地面近くの近辺を住み場にするともいわれる。胸部前面には二対の短い角があり、頭角1本、胸角3本という具合に、角の本数でもヘラクレスより多い。ヘラクレスと違い、黒一色の体色となり、前翅に二列の金色の毛が並ぶが、ローチでは4列になっている。

メスは他のカブトムシのように角が発達しない。ボリビアに住む近似種のサタンオオカブトムシ D satanus に似ているが、本種は前翅後部先端近くに艶状に輝くものの、サタンにはその部分が無い事で見分けられる。小型のオスでは頭角と胸角の発達が悪くなる。また、ヘラクレスが真昼~夜中に活動するのに対し、本種は明け方近くに動きだし、時間帯でも棲み分けがされているとも云われる。

ヘラクレスと違い、脚が短く、角が長めの為、闘争ではヘラクレスのように相手を挟み込んで持ち上げて投げるという事はせず、頭角を相手に身体の下に入れて、角で相手を投げ飛ばすような形でのファイトスタイルとなる。幼虫は熱帯雨林の枯れ木の中に入って、枯れ木を食べて成長し、一年近くを経て成虫になる。