採集禁止・・・・・(激怒)     | zojurasのブログ

世界の昆虫展で見た種類で、かつてはそれなりに見る機会に恵まれていたものの、現在は標本以外にはお目にかかれなくなってしまったクワガタムシとして、マルバネクワガタが居ます。

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南西諸島産のヤエヤママルバネクワガタ。

 

右側が大歯型、左側が中歯型です。

どちらも立派な個体ですが、残念な事に、生息地の環境破壊と、採集者の乱獲により、現在は採集禁止になってしまいました・・・・・。

 

それだけではなく、親戚に近い種類の外産マルバネクワガタ類も輸入禁止となってしまい、ブリーダー達を失望させるだけではなく、自然保護の意味を理解しておらず、国交省と共に逆に自然破壊を進めるような環境省には怒りを覚えるようになった訳です。

こちらは現在では採集禁止でかつ、日本で一番絶滅が心配されるクワガタとなってしまったヨナグニマルバネクワガタ。

 

昆虫は生息環境を確保しておいてやれば、絶滅の心配は無いと思うのですが、「減少したから採るな!」、「ここは開発する!」と云ってる事とやってる事が全く違う日本の自然保護の実態を知ると情けなくなると、クワガタ達が教えてくれたと思えます・・・・・。

ヤエヤママルバネクワガタ Neolucanus insulicola 

節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科

名前通り八重山諸島に生息するマルバネクワガタの一種で、かつては奄美大島と徳之島に分布するアマミマルバネクワガタ N protogenetivus と、沖縄島に住むオキナワマルバネクワガタ N okinawanus と共に「タテヅノマルバネクワガタ」という種類で統一されていたが、現在は三種に分けられている。

体長43~70mmとなり、メスの大きさでは体長50mmを超えて、日本のクワガタムシのメスでは最大となる。成虫は10月頃、スダジイなどにあつまるが、後翅を持つにも関わらず、飛翔せず、移動はもっぱら歩行による。成虫寿命は短く、2ヶ月ほどしか生きられない。幼虫は熱帯雨林のシイやカシ類の腐植土の中に潜み、それを食べて成長するが、成長するまで数年かかるとされ、共食い習性も強く、複数飼いがある程度効く他のクワガタムシよりも、幼虫飼育のクセが強いといわれる。

2016年に種の保存法によって、採集禁止となり、現在NT(準絶滅危惧種)指定。

 

ヨナグニマルバネクワガタ Neolucanus i donan

節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科

ヤエヤママルバネクワガタの与那国島産亜種で、原名亜種よりも小さくなり、体長は最大で60mmを超える程度となるのが特徴。

生態的にはヤエヤママルバネクワガタと変わらず、発生シーズンや幼虫から成虫への期間もほぼ同じとされている。

国内では与那国島だけに生息する事で乱獲されただけではなく、島の開発による生息地の減少や、乱開発による破壊によって激減し、現在の生息数はかつての1/100にまで減少し、日本国内のクワガタムシでは、最も絶滅の怖れがある種として、CR(絶滅危惧一種)指定

マキシムマルバネクワガタ  Neolucanus maximus

節足動物門 昆虫網 鞘翅目 クワガタムシ科

インド東部、中国南部、インドシナ半島、台湾に生息するマルバネクワガタの最大種で、体長は最大72mmとなり、体長では最大80mmとなるペラルマトゥスマルバネクワガタ N perarmatus には劣るものの、 横幅と体躯では上回っている。

ベトナム北部、ラオス、タイ北部に住む原名亜種N maximus の他、インド北東部に生息する N confucius 、中国福建省産亜種のN fujitai、  台湾産に分布するN vendli の4亜種に分かれる。

メスの体長は60mmに迫り、クワガタムシのメスとしては世界最大級となる。かつては普通に輸入されていたが、日本に生息する三種のマルバネクワガタ(アマミ、オキナワ、ヤエヤマ)に近い種類という位置づけと、日本産が激減した事によって、本種や近縁のペラルマトゥスとの交雑の危険性から、現在は特定外来生物指定され、輸入は基本禁止されている。