世界の昆虫展紹介を一時休んで、今年のクワガタ採集の為に、ヒグマに会わないよう祈りながら、山へ行きました。
コウライキジが居た。
春に採るクワガタムシといえば、マグソクワガタなんて、クワガタらしからぬクワガタですが、その採集地に行って
飛翔する甲虫を見つけ、ネットインさせると、「マグソか?」と思ったら、「なんか違う・・・・・」感漂う種を捕獲。
「なんか毛深いコガネムシだなあ・・・・」という事が判りました。
マグソじゃ無い証拠に、マグソは捕まえるとクワガタらしく擬死行動を採りますが、こちらはそんなことはせず、暴れて、すぐ飛んで逃げようとします。
コガネムシはそうやって、死んだ振りをしないで逃げ出すのが多いからです。
活発に動き回って逃げようとする為、マグソのようにじっくりと写すことは出来ませんでした。
このコガネムシ、ナラノチャイロコガネは、比較的珍しい種類のようですが、マグソクワガタ獲りに来ているのであっては、邪魔っ気な虫になっています。
陽に照らすと、鼈甲色のように見える前翅と体色は、マグソよりずっと綺麗な虫なのですが、マグソ目的で見れば、ガッカリする虫ではあると思えます。
まあ、このコガネムシも比較的珍しい種類ではあるようなのですが、マグソじゃ無いので、いつの間にかこの虫には失礼とは云え、「偽マグソ」と呼ぶようになっていました・・・・・・。
ナラノチャイロコガネ Proagopertha pubicollis
節足動物門 昆虫網 鞘翅目 コガネムシ科
4~5月の春にのみ現れる小形のコガネムシの一種で、日本全土に生息しているものの、春にしか姿を見せず、生息地も局地的な為、見かける事が少ないコガネムシでもある。
成虫は日中に飛翔し、春でも気温が低い時に備え、全身に細かい毛を多く生やしている。ほぼ飛翔ばかりしているといってよく、特にオスはよく飛び、メスを探す。
マグソクワガタの住む山地の砂地のある川縁でも見られ、マグソクワガタと混同される場合もあり、春にしか発生しない事に加え、1cmに満たない大きさや、メスの方がオスよりも大きいという共通点でも似ているが、捕獲すると擬死行動を採るマグソと違い、本種は掴まえると擬死行動は採らず、盛んに暴れてすぐに飛び立って逃げようとする他、鼈甲色に見える前翅は、透けるように薄い上、横から見ると、腹部の気門付近に白い点模様が並ぶ事からも簡単に見分けが付く。