デジタルアンプキットをつくる | ZFS free space

デジタルアンプキットをつくる

旅行に行ったり過労で倒れたりといろいろあって、すっかり更新がおろそかになってしまいました。
その間にACE:Rが発売され、FF14のβ3が終わり、STEINS;GATEのPC版が発売される等ネタがたまっている状況ですが、今日はあえてオーディオで行きたいと思います。


ZFS free space-amp2


キットは定番のトライステート製1Wx2ステレオデジタルオーディオアンプキット。秋月電子で購入できます。2000円とお手ごろ価格。
TPA2001D1という1WモノラルD級アンプICを二つ使用してステレオにしたもので、最大の特徴はフィルターレスであるという点。一般的なD級アンプは高周波ノイズをカットするため出力後にコイルを入れてローパスフィルタにしますが、当然音質がコイルに影響されてきます。その点このICは有利と言えます。


筆者がいじった部分はコンデンサ交換に加えて、ヘッドホンジャックを設けたこととジャンパを前面パネルまで引き出したこと、そしてUSBから電源をもらうようにしたことです。
ヘッドホン出力は説明書通り100μFのコンデンサを挟みこんで、更にスピーカー出力と切り替えられるようにしましたが、配線が長くなったおかげで発振に悩まされました。ただでさえ発振しやすいICのようなので併用するつもりの方は気をつけて製作してください。
なお、試してみたらヘッドホン接続時の音がかなり大きかったのでこの後アッテネーターを入れています。


エージングが済んでない状態でも音はなかなか素直な印象。出力が小さくてもそこはD級、パワーを感じさせてくれます。1W+1Wでもよほど能率の悪いスピーカーと組み合わせない限り一般家庭では十分でしょう。

ヘッドホン出力も普通にいけます。ヘッドホンアンプとして本キットを使う人は少ないと思いますが、ついでにヘッドホンも鳴らせるアンプとしては満足で、つなぐとはっきりヘッドホンの音がよくなったと感じられます。

もっとも、筆者はヘッドホンに疎いのでどのレベルの音かはわかりませんが・・。


ZFS free space-amp3 完成後。

上段がアンプ本体、下段が安定化電源です。USBからとれるようにはしたものの、結局作ってしまいました。

アナログアンプであれば普通は全段安定化させたりしませんが、デジタルICには初段も終段もありませんし、そもそも仕組みが違うので安定化させた方が有利だそうです。

事実、効果は大きかったです。


なお、ボリュームはつけてません。

音質劣化が一番激しい部分なので自作アンプには一切つけていません。


D級アンプははじめて作りましたが、価格や手軽さを考えると総じて優秀なキットでした。

お気に入りのコンデンサを使って丁寧に組み上げるだけでも十分使えますし、出力が小さいので安定化電源も小規模で済みます。

メーカー品はエントリークラスでも結構な価格になるので、これからオーディオを楽しもうという方に是非お薦めしたいですね。BEHRINGERあたりと組み合わせればコストパフォーマンスは文句なしでしょう。


ちなみにこのアンプ、自分用ではなくスピーカーを買った友人用に作ったものなのでエージングが済んだら旅立つ予定です。