2015年3月3日火曜日 午前
今日は快晴。天気も良いから気分はちょっと仕事モード。
私の勤務先は、駅から歩いて3分程度のオフィス街の一角にある。
周りが外資系の会社が立ち並ぶ中に、一際目立つうちのビル。
派手と言う訳ではないのだが、逆に地味すぎるので目立つのかな。
窓が1つも無い。
科学薬品の会社だからわからない事もないのだが、一見して倉庫にしか見えない。
もっとお洒落なビルだったら自慢もできるんだけれど。
そんな我社の廊下を歩いていると、同僚の磯村香織が廊下に置いてある自販機の前でコーヒーを飲んでいた。
「おはよう香織」
「おはよう」
いつものように朝の挨拶を交わして、仕事前のちょっとした休息
「今日は、朝から部長が出張でいないから気が楽だね。」
そんな香織の言葉に私は
「そうだった。でも梨沙は木島さんに頼まれた企画書の整理を昼までに終わらせるんだったよね?」
「いっけない、すっかり忘れていたよ。あれ終わらせないと拓哉が明日部長にこっぴどく叱られるんだった。」
木島さんの名前は木島拓哉。私と同じ営業2課で私の先輩。
香織の彼氏でもある。
木島さんは、木村拓哉と一字違いなんだけど、一字違いでこんなにも違うのかと思ってしまうほど奇妙奇天烈摩訶不思議な存在なんです。
どうして香織は木村さんの事が好きなのか、これも摩訶不思議。
この二人の事は、私と香織だけの秘密なんです。
「香織、これコピーお願い。」
忙しそうにしている香織は横目で私をにらんで、
「見てわかるでしょう。企画書を昼までに纏めておかないと偉い目にあうよ。」
「こっちも忙しいんだから少しは手伝ってよ。」
「そんなに忙しくても、コピーぐらいできるでしょう。」
こんな私と香織の会話が昼まで続いた。