2015年3月3日火曜日
「やばい遅れる」
正門は当然閉まっているから、正門を右にぐるりと回り込んで電柱2本通過、ラスト全開。
目の前に裏門が見えた。
あと少し。
短距離には自信があるんだけど、家からのダッシュだから教室まで息がもつかな。
裏門を全力で通り抜けると、後ろから大声が聞こえた。
「おはよーう愛、ちょっと待って」
「誰だ?」と後ろを振り返ると、クラスメートの長澤夏樹じゃないか。
私よりも確実に速い速度で追いついてくる。
いつも100m走では私のほうが早いのに、何故かこんな意味もない場面では私より力を出せる。
よくわからない奴だ。
「夏樹、やばいよ、後10秒」
「間に合うか?愛」
今、2階の階段を駆け上がっている途中。
私たちの教室は4階で、階段を上がりきった所から10m先にある。
計算では、疲労係数を考慮しても間に合う距離だ。
「大丈夫だ、夏樹ラストスパート」
着いた。
目の前の教室の扉を開くと2人で、
「おはようございます。すみません家の時計が5分遅れてて...」
「??」
「誰もいないぞ、愛」
「確かに誰もいない」
「もしかしたら、体育館にみんな集まってるんじゃないか?」
と言った夏樹の言葉をよく考えてみると
「体育館?昨日、卒業式だったよね」
「・・・」
「そうだ卒業式だった。という事は」
何故かここで私と夏樹の目が合って2人で叫んでしまった。
「今日は休みだ」