私、少し前に暑くなると出現する難敵として水虫をつぶやきました。
老若男女、夏場高温多湿となる日本で革靴を履かねばならない人にとって水虫は職業病のようなものと言えます。
今日、ニュースで東京慈恵医科大の研究グループが水虫と皮膚がん(メラノーマ)の発生に相関関係があるという報道がされました。
メラノーマとは俗にいう"ホクロに似たがん"で皮膚がんの中でも悪性度が高く、転移しやすいことで知られています。
皮膚がんは紫外線との関係を取り沙汰されることが多いのですが、日本人のメラノーマは紫外線とは無縁な足の裏や足の指に発生することが多く、紫外線では説明がつかないとされていました。
▲メラノーマは黒子(ほくろ)と区別がつきにくい
水虫が足の裏に発生するメラノーマにどうゆうメカニズムで関与しているのか確定的な検証には至っていないようですが、仮説的には有力なものなのだとか・・・
がんを引き起こすウィルスや細菌類は既にいくつか知られていて
・胃がんを引き起こすピロリ菌
・子宮頸がんを引き起こすHPVウィルス(ヒトパピローマウィルス)
などは有名です。
HPVは身近なウィルスでこれに感染しても直ちに子宮頸がんになる訳ではありませんが、がんを引き起こさないようワクチン接種が推奨されているのは周知のとおり。
(稀に深刻で重篤な副反応があり、日本では慎重視する人もいます)
この発がん性細菌・ウィルスに水虫(白癬菌)が仲間入りするかも知れないというのです。
「水虫をいつまでも治さないでいるとメラノーマになりますよ!」
そんなことを言って水虫薬を製造している会社が大々的に宣伝する気もしますが、実はメラノーマは希少がんのひとつと言われています。
希少がん、つまり多くの人が罹患するがんとは一線を画す極めて珍しいがんです。
とどのつまり、水虫を長く患っている⇒メラノーマになりやすい
というのは間違いではないのかも知れませんが、その確率は酒やたばこの発がん確率と比べれば微々たるのではないかという感じがしてなりません。
メラノーマは希少ガン、そして水虫は身近で誰もがかかる疾患。
このアンバランスな関係から導き出されるものは
"大山鳴動して鼠一匹"
の印象が拭えません。
たかが水虫、されど水虫。
今回の水虫が足のメラノーマを引き起こす要因説は発がん確率というものをどう捉えるかに一石を投じることになる気がしてなりません。
とはいえ、水虫はやはり完治した方がいいことにしくはなしですけどね。
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