皆さんはPFOAやPFASという用語を耳にしたことはありますでしょうか?

 

PFOAやPFASというのは有機フッ素化合物郡のことを指す物質名です。

 

 「有機フッ素化合物? 何か化学用語でなじみがない。わかんない!」

 

そんな声が聞こえてきそうですが、身近なモノでいいますとテフロンが関係物となります。

 

テフロンというのは実は米国デュポン社の商品名で、正確にはPTFEというフッ素樹脂のことなのですが、皆さん米国デュポン社の商品名のテフロンを物質名として使っています。

 

このテフロンの中に微量ながら含有するのがPFOAやPFASです。

 

実はPFOAやPFASには人体に蓄積しやすい(排出されにくい)性質があり、発がん性がある物質で発がんの他、さまざまな人体への影響が懸念される環境汚染物質です。

 

PFASの人体への有害性

【PFASの人体への有害性】

 

20年ほど前、米国でPFASやPFOAの環境への影響を調べていたところ米国人の多くから微量ながら血液中に溶け込んでいることが判明して、大騒ぎになりました。

 

原因はテフロン製のフライパンの使用ではないかと疑われました。

 

米国は日本に比べてテフロンフライパンの使用率が高かったからです。

 

目玉焼き、フレンチトーストなど鉄製のフライパンですと焦げ付きを防ぐために大量の油を引くとベトベトになり、かつ高カロリーになるという理由からテフロンのフライパンでの調理が浸透しました。

テフロンを開発したデュポン社発祥の国というのもあるかも知れません。

 

環境に敏感な欧州はただちにこれに過剰反応し、欧州ではテフロンは非常に厳しく規制されるようになっていきました。

 

テフロン製フライパンも原則使用禁止にするところも出ています。

 

ところが日本ではテフロンについてはPFOAやPFASのしっかりとした科学的裏付けができていないこと、微量なら直ちに人体への悪影響のメカニズムが確認できないことなどからテフロン製フライパンは普通に販売されています。

ムラノ インダクション テフロンセレクト フライパン 40cm AHLV706(取寄品)

欧米でテフロン追放の機運が高いため、行き場のなくなったテフロンやテフロン製フライパンは低価格で大量に日本で販売されています。

 

環境への配慮ということでレジ袋有償化を勧めている日本ですが、国民の健康への被害が懸念されているテフロン、特にテフロン製フライパンについては規制がほとんどないのが現状です。

 

テフロン製フライパンで調理した料理を食べたから直ちに何か起きることではありませんが、それでも微量のPFOAやPFASを摂取しているかも知れません。

 

特に高温調理するとテフロンが一部分解してPFOAやPFASが生まれやすくなるという説があります。

 

まだまだ科学的メカニズムが未解明な部分も多いのですが、欧州では基本的に

"健康に疑わしい化学物質は排除する"

という原則からテフロンそのものが追放されつつあります。

 

環境省を中心に日本政府がテフロン製フライパンは事実上野放し状態にしているので、私たちは自己防衛をしないとなりません。

 

化学物質を気にする方はテフロン以外のフライパンを使用することをオススメします。

 

みなさんの家にあるテフロン製フライパン、それでも使いますか?