心臓の僧帽弁形成手術を受けて間もなく1か月が経過しようとしている。
僧帽弁形成手術は断裂した腱索をテフロンの糸で縫い合わせるとともに『弁輪』と呼ばれるリング状の補強材を縫い付けて形状を整えるのが一般的です。
この弁輪はいわば心臓の中に入った異物なので、ここを原因に血栓ができて血流に乗って脳まで行き、脳内の小さな血管を詰まらせれば脳梗塞となってしまいます。
このため僧帽弁形成術より半年程度は血栓が出来にくくする薬を飲む必要があり、私も血栓防止の薬を処方されていました。
一方でダビンチを使った低侵襲手術とはいえ、右胸の脇にできた1.5cm~2cm弱の傷跡3か所が時折、ズキッと痛むことがあるため、痛み止め(カロナール)も合わせて処方
してもらっていました。
痛み止め(カロナール)はあまり沢山処方されていなかったため、すぐになくなってしまい、薬局で痛み止めとしてより即効性の高い鎮痛薬のロキソニンを購入しました。
ロキソニンとカロナールの違いなど頓着のない私。
似たような鎮痛剤だと気にも留めておらず、薬局の窓口で
「今までも使っていた薬ですか?」
との確認に「はい、そうです」と自信たっぷりに答えて購入し、服用しました。
先日、糖尿病の主治医に雑談まじりに手術痕が痛むので、即効性のあるロキソニンを買って飲んだと言った途端、医師の顔色がサッと変わった。
「何という血栓予防の薬を飲んでいますか? ワーファリンじゃないよね?」
「一般的に血栓予防の薬とロキソニンは飲み合わせがよくないですよ。」
医師によるとロキソニンは処方箋がなくとも簡単に薬局で手に入るようになった反面で、他の薬との飲み合わせがよくないことが多く、長期間の服用は絶対に避けるべきだから気を付けるようにとのことだった。
幸いにして、私はまだ4錠ほどしか飲んでいなかったため問題にはならないそうだが、
心臓の病院がロキソニンではなく、カロナールが処方されていた意味がはじめてわかった。
ロキソニン単体なら長期に大量に服用しない限り、大きな副作用もなく即効性のある良い鎮痛剤だが、他の病気の薬を併用している時は注意がいるそうである。
長期にロキソニンとの飲み合わせが悪い状況で服用し続け、大きな副作用で重症化する事例が市販されてから散見されるようである。
他に長期間クスリを服用している方は医師や薬剤師にロキソニンとの相性を確認した方が良いかも知れません。