相変わらず、妻の調子があまりよくない。

PD(パーキンソン病)から来るものなのか、薬の副作用なのか判別しにくいが、とにかく気持ち悪さと軽い慢性頭痛、眠さが混在して二日酔いのようだという。

 

私の心臓手術まで三週間ほどとなり、病院から新型コロナ感染の拡大により入院中は面会謝絶との連絡があった。病院が認める時の付き添いは1名(基本的に配偶者)とのことだった。

 

このため妻本人も、自宅から50キロ近く離れた病院に通うことはしんどく、自信がないと言い始めた。

 

あとは84歳になる高齢の父親か大学生の長男ということになるが、1人限定となると難しい。

 

結局、入院時と手術時、あとは退院時のみ妻が来て、あとはずっと私ひとりで入院中は過ごす見込みだ。

 

病院のHPには術後最短で3日退院などという宣伝文句が出ているが、やはりそれは特殊なケースであり、10日間以上の入院となる見込みである。

術後のいちばんキツイ時に1人で過ごさないといけないというのは少し不安だ。

(仕方ないことだが)

 

退院後も医師より安静にするよう言われており、出勤は術後1か月、遠方および長期出張は術後3カ月までは無理だと言い渡された。

 

「心臓の手術ですから、甘く考えてはいけません」

 

ということだった。

 

そうなると退院してもPDで調子のよくない妻を私が助けることは難しい。

妻が私を介護することはないが、長男や次男にも今まで以上に協力してもらう必要が出てきたのだ。

 

「親が両方とも病で調子悪く、子に迷惑かけるのは忍びない」

 

という妻。

自身の病で調子が悪く、そのしわ寄せを子ども、特に高校一年生の次男にまで影響させてしまうことをひどく気に病んでいた。

 

私は最近、妻が慢性的な体調不良で体のみならず精神的にも参ってしまうのではないかと気にしている。

 

「何かしたくても、何もできない」

「何でこんな病気になってしまったのだろう」

「夫婦で倒れたら、子が両親を介護することになるのか」

 

妻はそんなことをさかんに口にするようになった。

 

何とか今を乗り越えないといけない気に私はなってきた。

夫婦で病気を抱えると何かと不安が増えるものである。