手術支援ロボット・ダビンチで心臓手術をやろうと決意した私。

ネットや専門誌などを隈なく当たり、信頼できそう専門病院として選んだのが東京・杉並にある『ニューハート・ワタナベ国際病院」だった。

 

メール相談すると何と院長より、早急なレスポンスをいただくこととなった。

とにかく一度、来院して検査してから考えましょうということだった。

 

血糖値が高く、すぐには手術できない身の上ではあったが、師走の多忙時に院長直々に診てもらえるということで嬉しかった。

そして、診察時に院長から言われたのは意外な言葉だった。

 

「まだ、手術レベルではないね。僧帽弁の不具合は中程度です。」

 

医師ではないので詳しいことは分からないが、弁の不具合による血液の逆流比率を病状の指標のひとつにしているようで、私は逆流率が37.2%だった。

 

「年単位でいいので、また来年検査に来てください。」

 

ダビンチを使った心臓手術では日本一と言われる院長にそう言われると一気に安堵感が広がった。

 

「よかった。あわてて手術しなくてもいいんだ。専門医に診てもらってよかった」

 

だが、この安堵感とは裏腹に心臓の逆流率は着々と上がっていくことになるなど当時の私は知る由もなかった。2021年12月後半のことである。