サラリーマンの皆さんはご自身の給与明細をつぶさに見ことはおありでしょうか?

 

多くの人は控除額を差し引いた手取り額だけをチェックして

「今月は少し給料が増えた」とか反対に「給料が減った」と認識することがほとんどかと思います。

 

給与の総額や手取り額と同じぐらい重要なのが給与体系、給料の内訳です。

 

会社によって名称はいろいろですが、一般に給与は職能給などを含む基本給と各種手当と称するもので構成されています。

 

給与には基本給が多く、手当が少ないところと

反対に基本給はあまり多くなく、各種手当が充実しているところに二分されます。

 

もちろんベストなのは基本給が多い給与体系です。

各種手当が充実している給与体系は賞与(ボーナス)や退職金、そして定年以降の給与が大きく減額されることになります。

 

私の会社は残念ながら基本給が低く、手当が充実している給与体系でした。

 

毎月、およそ55万円の年齢的には平均的月給でしたが、基本給は42万円で通勤費を除いた各種手当は13万円という構成です。

 

人事に60歳定年後も5年間は契約社員としての雇用が義務付けられているが、その時の給料はいくらになるのですか?

と尋ねて驚いたことがあります。

 

「ZEUSさんは人事評価が高くないから約21万円ですね。」

 

という回答。

 

私の会社では60歳定年になる2年前の人事評価の平均で定年後のシニア契約社員の給与が決まることになっていました。

 

人事評価は5段階で

 

A評価・・・・現役と同じ基本給額。全体の5%でボーナスなし

B評価・・・・基本給の8割(20%ダウン)。全体の20%でボーナスなし

C評価・・・・基本給の7割(30%強ダウン)。全体の50%でボーナスなし

D評価・・・・基本給の6割(40%強ダウン)。全体の20%でボーナスなし

E評価・・・・基本給の5割(50%ダウン)。全体の5%でボーナスなし

 

リストラ対象にされたので私の人事評価はE評価。

基本給の半分です。

 

60歳を境にボーナスなく、55万円⇒21万円と半額以下の給料です。

仮にC評価になったとしても29万円。

 

「これじゃ、一般の契約社員の方がずっと給料が高い」

「無理して定年後も会社にしがみつく必要があるのだろうか?」

 

そんな風に感じてしまいました。

そう、自分がシニア年齢になったという意識が希薄だからです。

 

妻も私も持病を持っていて、喰うだけでカスカスなのは困る。

会社から変な嫌がらせをされるぐらいなら、退職金割増でサッサと見切りをつけて他の会社の契約社員にでもなればずっと得かも知れない。

 

そんな幼稚な打算も働いて、潔く会社を退職することを決めました。

 

ブログのコメントには

「得じゃないこと承知で退職に応じたのに、愚痴っていても仕方ない。」

「自分の年齢のことを忘れている。」

「年齢>能力というのが日本の会社。そうなると、外資系しかない。」

 

といった辛辣な批判のコメントも数多くありました。

 

決して高額とは思っていなかった月給55万が60歳を過ぎると21万になってしまう衝撃もあり、リストラ退職に応じた背景があります。

 

誤算の原因は各種手当の比率が多い給与体系だったことにあります。

 

 

調べると私の会社の基本給と手当の比率は基本給7に対して手当3なので、突出して基本給が少ない訳ではないといいます。

 

今、必死に求職活動をしていますが、60歳のカタギの契約社員で月給30万円以上というのは破格のようです。

 

給与の総額ばかりでなく、その内訳をキチンと理解していれば

 

「何でそんなに給料が減るんだ!」

 

と憤って、安易な決断はしなかったかも知れません。

それでも、やはりリストラ退職に応じたような気はしますが・・・・

 

60歳定年後の給料にはビックリさせられますが、その現実は受け止めないといけないかもしれません。

 

手当が多い給与体系の方は気を付けてください。