74,虚の中の真実 | 冷茶猫のカフェ

冷茶猫のカフェ

冷茶猫のカフェへようこそ。扉を開けると、そこはミステリアスな世界。
珈琲の芳しい香りの中で、気楽におしゃべりしたり、ちょっと真剣にものごとを考えたり、そんなカフェになったらいいなと思います。
                     (現代版・鳥獣戯画)

はじめて来られた方へ

冷茶猫のカフェは、ここに集まるぬいぐるみ動物たちが、いろいろなテーマ、時事問題からお洒落な話までを、語り合うカフェです。不思議な世界を、のぞいてみてください。


ランチタイムが終わっって、客足が一段落したカフェでは、ファンタジー大好き猫と、ミステリー大好きネズミの本談義。

甘茶猫のママ猫は、超我が儘猫(35,どこに生まれたかではなく…参照)…「そんな嘘ばっかりの本読んで、スポーツしない猫なんて最低」と、よく罵っていたらしい。


でも内気だけど心優しい甘茶猫は、小動物たちも、とても好かれている。




僕はね、小動物で結構虐められていたんだ。現実逃避だったかも知れないが、ミステリー小説で救われた部分もある。



確かに嘘を書くのが小説…でも…その中に、虚の中に、なにかがある…




カフェのスタッフ
      




事実の積み重ねの中には、うっとうしい事柄も多い。人間関係は、家族でも親戚でも友人でも、師弟でも先輩・後輩でも複雑。

きらきら光る想いは、ともすれば日々の塵の中に埋もれてしまうこともある。でもその中に真実の光がないわけではない。

これも本大好き、海ホタル

すべてが事実ではない小説という虚の中に、日々の猥雑な塵を払って取りだされた、真実の想い、そのものがある…また心の奥底にある光と闇を取り出すこともできる。



ミステリーや、ハードボイルドも、ある面だけを拡大してあるが、その中にも人生そのものが描かれ
ていることもあるんだ。



「タフでなければ生きていけない、やさしくなければ生きていく資格がない」、これも人生の真実の一面だろう。レイモンド・チャンドラーの創り出した私立探偵、フィリップ・マーローの言葉。



ファンタジーといえば、「ハリー・ポッター」というときもあったけど、日本にも素晴らしいファンタジーがある。
ファンタジーというより、この世に寄り添う異世界を描いたような作品。 作者は文化人類学者でもある上橋菜穂子さん。日本人4人目のアンデルセン賞、受賞


守り人シリーズ (上橋菜穂子・著)




   


 

この作品の世界には、目に見える人間の世界(サグ)と目に見えない精霊の世界(ナユグ)がある。この二つの世界は同じ時、同じ場所に重なって存在する。呪術師は呪術によってナユグを見たりそこの生き物と話したりできる。また、ごく一部の人間(主に子供)は、呪術を用いなくてもナユグが見えることがある…(Wikipediaより)

女用心棒バルサと彼女に救われた皇子チャグムの、壮大な物語。愛、友情、自然、そして大国の侵略とそれに対峙する人々…


獣の奏者 (著者・上に同じ)


知りたくて、知りたくて

おまえの思いを知りたくて、人と獣の狭間にある深い淵に立ち、竪琴の弦を一本一本はじいて音を確かめるように、おまえに語りかけてきた。

おまえもまた…

深い淵をはさみ、わからぬ互いの心を探りながら。(本文より)


闘蛇、王獣という強大な力を持つ獣を、戦争に政治に利用するために、課された秘密の飼育法…獣と心を通わせる少女エリンの成長と、国、政治とは…



ここにも、虚の中に人の、人の営みの真実がある。


世阿弥の著書、能の理論書「風姿花伝」は、「秘すれば花、秘せずば花なるべからず」…能の奥義である「まことの花」は心の工夫公案から生まれると説く。(Wikipediaより)

すべてを見せずに、ほんの少しのことを象徴的に表現することによって、観客の想像の翼を活用することによって、表現に膨らみを持たせようとする一種の術(Yahoo!知恵袋より)
これも虚の中の真実に近いのかもね。

      
     

隣の席のカエルたちも、本談義に参加…彼らも実は、本好き。


人生は一度きりだ。地球上をすべて歩くわけにはいかない。過去や未来を自分の目で見ることはできない。そして異次元の世界、異世界もまた見ることはできないのだ…
しかし本の扉を開くと…そこに広がっている世界は…

たくさんの人生を生きることができる。地球の裏側へもあっという間に行ける。過去や未来も訪問できる。異世界へ行くことすらできる。そして動物や木や花の言葉を聞くこともできる。


想像力は素晴らしい。これを養わずして、どうして他の人の痛みを、苦しみを感じることができるだろう、また、もの言わぬ動物たち、自然の叫びを聞くことができるだろう。



だからたくさんの本も読んでほしい。フィクションもノンフィクションも。

感性を磨くのには、もちろんスポーツも音楽も絵画も大切だ、でもベースにあるのは読書。

言葉には言霊(ことだま)がある万葉集の時代、そう言われていたって



しかしねえ、本なら何でもというわけには…
いくらなんでも、これは子どもにはだめだろう…というのもある。
わざわざ悪口、誹謗の本を並べたコーナーがある本屋さんもある。
ああいうの見ると、嫌な感じ。だって外国で日本の悪口雑言を書いた本のコーナーがあって、売れていたら悲しいし、ハラがたつ。


メディアの堕落、戦争前のメディアのようで警戒心を持つというコメントも、テレビであった。


買う人が増えているからだよ、メディアも、それを読んで愛国心と憂さ晴らしの違いに気が付かない方も、どっちもどっち。



だからこそ、深い本、素敵な本、楽しい本、たくさん読んでほしいんだ。


本物を読み込む以外、偽物の本を見分ける力はつかない…そう思うんだ。





阿月猫の、実はね…コーナー


久しぶりに、カエル揃い組、よかった、よかった。

カフェこそ、虚の世界…でもその中に真実がある。

仲間も、思いやりも、喧嘩も、絆も…


扉を開けると、そこはミステリアスな世界…でも扉の向こうにも、似た世界があるでしょう。カフェ仲間は、みな、あなたの近くにいる人に…どこか似ていませんか?



次回は5月3日、更新予定です。

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