教育について思う | ZEROのブログ

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なるほどな、っと。

最近はいじめの問題がクローズアップされてきて、それにともなって学校の教育のありかたを問う議論が聞かれますが。さてそのわが国の教育について、これからどうしていくべきなのか、考えてみたい。


 現在、教育の改革に関する政策の議論や提言は内閣に設置されている教育再生会議で行われている。この会議では学力向上、規範意識・公共心の形成、大学・大学院の再生、財政基盤の改革を目標とした政策提言がなされている。しかし、これらの提言は現実とあまりにかけ離れたものといわざるをえない。
具体的には、授業時間の増加・土曜日授業の再開という提言。授業時間を増やしさえすれば学力が向上するとでもいうのだろうか。学習時間と学力との間に相関関係はないわけで、時間よりも教育内容の見直しを進めることが必要なのでは。高卒学力テストの導入も、一定の成果はあがるのかもしれないがいずれは形骸化する可能性が大きい。
 教育バウチャー制度というのも驚き。児童・生徒に自由な学校選択をさせ学校間での競争を促し、人気に順じて予算を配分するというもの。競争原理をもちこむことで教育や教員の質を高めるねらいとのことです。それで本当に子供のための教育が実現するんでしょうかね。教育の質を向上させることよりも学校の人気を上げることに目的がすり替わってしまうような。そもそもどの学校でも学習条件を平等にするのが公教育ですが、これは全くその逆を行く制度ですね。
 などなど、どこか議論すべき点がズレている。短絡的で十分な議論を経た政策とも思えない。まず改革すべきは教育の根幹であり、学習指導要領なのでは。ちょっと前に全国の高校で必修科目の未履修が問題となったが、この出来事は学習指導要領が現実の教育に対応していないことを示した。もちろん幅広い知識教養は必要だが、高校に行ってまでそんなことを教える必要はないと。つまりもっと早い段階で専門的教育がされるような教育制度が理想的だと思う。小-中学校での教育をより現実に即した実用的なものにできれば、可能性も見えてくるのでは。
 そのいい先例が、先日結果が発表された学習到達度調査で優秀な結果を残したフィンランドです。フィンランドの学習時間は世界でも最低ランク。学習指導要領の内容を大幅に削減して各学校や現場の教師による裁量の幅を増やしたり、科目別の枠にとらわれない授業として、文化的同一性と国際化、コミュニケーションとメディア技術、参加型市民性と起業家精神、などをテーマとした総合学習に多くの時間を割いている。日本とは対照的ですね。この調査結果でフィンランドの教育制度が注目されたことは今後の日本の教育を考える上でとても意味あるものだと思う。