3月11日、金曜日。
この日は、数え切れないほどの、かけがえのない大切なものが
失われてしまった日となりました。
その日は、午前中に最後の管を抜いていただいた解放感から
あちらのお部屋こちらのお部屋と歩き回って、自由になったことを
浮かれながらアピールして回っていました。
昼食をいただき、午後の検温を済ませ、何もすることのない時間を
ベッドに横になりながら過ごしていた午後3時少し前。
今まで経験したことのないほどの激しい揺れが襲ってきました。
ベッド脇にあるテーブルの上のものは全て床に落ち、ロッカーの扉は
ガンガンと激しい音をたてて開閉し、窓はミシミシと音をたてている。
もちろん立っていることなどできず、みんなベッドの枠につかまって
地震がおさまるのを待つしかなかった。
なかなかおさまらない揺れがおさまったとき、みんな、本当に揺れて
いないのか、それともまだ揺れているのか、わけがわからない状態
で、呆然としていました。
病棟内を走りながら患者さんの様子を確認する看護師さん達の
足音と大きな声で我に返り、今起きたことを必死に確認する。
すぐさま一人の方がテレビをつけ、ボリュームを上げてくれました。
...テレビも、どこもかしこも、混乱している。
電話はもちろん繋がらない。
メールは、タイムラグが生ずるものの、辛うじて使える。
とりあえず、思い浮かぶ身内に片っ端からメールを送り、こちらの
無事を伝えました。
東京の交通網は壊滅状態になり、都心で働く方々の多くは帰宅の
足を奪われました。
会社に泊まる人、何時間もかけて歩いて帰宅する人、、、
私の兄も義姉も、6時間以上かけて会社から、子供達を預かって
いただいている地元の保育園まで歩いて帰りました。
保育園からは、子供達は無事だとすぐに連絡が入ったものの、
すぐにそばに駆けつけたい思いで必死に歩いたのだと思います。
深夜の保育園についてみれば、残っている子供の数より多いだろう
とおもえる人数のベテラン保育士さんが勢ぞろいで子供達を守って
下さっていたそうです。
皆さん大変だったでしょうに、ありがたいことですね...
今回の大震災では、見つめ直すことがたくさんありますね。
膨大すぎて、大切なことすぎて、その一つ一つをすぐにあげることは
出来ません。。。
まずは、これから生きて行く中で、常に心にとめておくことが大切
なのではないかと思っています。
短期的なことにしてはいけないのですよね。
今回の大震災で、お亡くなりになった皆様に
心よりお悔やみを申し上げます。
そして、被災をされた皆様に
どうかお力を落とされませんように...
日本中のみんなが真剣に考えていくと思います。
一緒に美しい日本を取り戻しましょう!