主治医のO先生は、私の疾患が癌だということがわかると
すぐに、予約をとるのに数ヶ月待ちという噂の婦人科部長の
S先生の診察予約を取ってくださいました。
おそらく、するするするっと横入り。。。m(_ _ )m
そして、O先生とS先生と私の三つ巴会談ならぬ診察。
S先生の診断もO先生と同じく「卵巣悪性腫瘍」。
卵巣腫瘍の手術というは、まずは、手術中に腫瘍が良性で
あるか、良性と悪性の中間に位置する境界悪性であるか、
悪性であるかを判断することから始まるようです。
まず腫瘍部分を摘出し、そのまますぐに「術中迅速病理検査」
という検査をし、良性ならば、そこで手術は終了。
境界悪性ならば、両卵巣、子宮、大網の摘出。
悪性ならば、さらに、骨盤・傍大動脈リンパ節を切除。
この方法に限るわけではないと思いますが、これが現在の
卵巣腫瘍の標準手術というもののようです。
ただ、年齢も若く、妊娠を強く希望し、ごく早期の癌であった
場合は、癌の進行度次第では、片側の卵巣・卵管切除で
経過観察、という道も残されているようです。
やはり、早期である、ということが大切なのですね。
...私の場合は、まず、年齢的にアウト。
とても残念なお年頃なのでした。。。
子供が大好きで、いつかは自分の子供を...と願わなかったと
言えばウソになります。
でも、この年まで子供を生まずにきて、いざ生めない身体になる
と言われてジタバタすることは、ほとんどありませんでした。
もちろん、悲しかった。診察中にも関わらず泣いてしまいました。
しかし、それよりももっと心に引っかかることがありましたので。。
それは、卵巣欠落症状。。。
私は親も配偶者もいませんので、すべての判断を自分で下す
必要がありました。
先生もそのことを理解されてか、私には早い段階から、自分の
病気について勉強することを求められました。
告知されてすぐに買うように薦められた本があります。
■患者さんとご家族のための子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がん
治療ガイドラインの解説
(\2400+税 金原出版株式会社)
勉強したおかげで、色々と心配な未来も見えてきてしまいました。
あとから聞いたお話なのですが、先生は誰にでも勉強をしろとは
言わないと。私は乗り越えられると信じたから薦めたと。。。
卵巣欠落症状。
卵巣からは「エストロゲン」というホルモンが分泌されており、それは
女性の生殖機能を維持するほかにも多くの役割を担っています。
そのホルモンが分泌されなくなると、様々な影響が出ることがあります。
短期的には、頭痛、肩こり、汗をかきやすくなる、イライラなどの
いわゆる「更年期障害」に似た症状。
中・長期的には、動脈硬化や骨粗しょう症など。
それらを治療するためのホルモン補充療法などもありますが、これは
体質によっては受けられないこともあるそうです。
そういう場合は、漢方薬での治療が行われる場合も。
手術を受けて抗がん剤治療を受ければ終わるというものではないの
かもしれない。5年再発しなければ良しというものではない。。。
そんな重みがドカッと肩にのしかかってきました。
O先生もS先生も、悪性腫瘍であればもちろん摘出が基本ではあるけど、
私が一つでも卵巣を残して欲しいと願っている気持ちは忘れないし、
手術中も出来る限り後遺症が出ないように万全を期すとおっしゃって
下さいました。
その言葉でストンと何かが心に下り、、もう他には道がないんだ、先生方
にすべてお任せしよう、と思えるようになったのかもしれません。
生きるためには選択肢はないんだ。