こんにちは。
『0円引越』プロデューサーの合田英樹です。
さっき時間が出来たので何気なしにネットを見ていると、
世界の指導者の死去が2件伝えられていました。
一つは北朝鮮の金正日総書記、
そしてもう一つは、チェコのバツラフ・ハベル前大統領。
この二人の死去が同一日に伝えられることはとても面白いことです。
バツラフ・ハベル前大統領。
ベルリンの壁が崩壊する、
物理的なきっかけを作ったチェコスロバキア。
1948年、ソビエトの後ろ盾で共産党体制が樹立されてからは、
二月事件に象徴されるような人民抑圧が続いていました。
一旦は民主化運動が芽生えてはきたものの、
1968年の『プラハの春』によってその芽を摘まれてしまいます。
ソビエト軍の軍事進攻でした。
このあたりのことは、この本に詳しく書いてあります。
私がチェコという国を好きになったきっかけの本です。
その後、ソビエトのペレストロイカを受けて、
東側諸国に民主化の流れが定着しつつあった頃、
東ドイツとの国境を開放したと同時に、
ハンガリーやオーストリアとの国境も開放。
その結果、
東ドイツやハンバリー市民が大量に西ドイツに流入、
これがベルリンの壁崩壊のきっかけとなったのです。
結果、1989年の『ビロード革命』によって共産党体制が崩壊していきました。
その際、人民の精神的な支柱として存在していたのが、このバツラフ・ハベルでした。
チェコでは人形劇が盛んです。
これは、アングラな人形劇でのみチェコ語を使うという様な忍耐を強いられ、
永く抑圧された人民の小さな抵抗を継続させるには必要だったのでしょうね。
バツラフ・ハベル前大統領とは、
そんな民主化運動を支えてきた人物でした。
それと正反対なのが北朝鮮の金正日総書記。
これについては多くを書きたくありませんが…
今年の初めから始まった中東や北アフリカ諸国の民主化運動。
チュニジア青年の焼身自殺を発端に、
チュニジア、エジプト、そしてあのカダフィのリビアまでもが、
新しい民主化の波に呑まれてしまったのです。
そして次の民主化運動の火種は、中国、北朝鮮などのアジアに向かっています。
時代の趨勢には逆らえないことは歴史が証明しています。
さて、あと数日で2012年を迎えます。
この北朝鮮の行方はどうなって行くのでしょうか?
この二人が死去した記事を読んで、ちょっと考えさせられる時間でした。