昨日、法律の専門家から興味深い話を聞きました。
それは、今の司法試験の実態についてです。
法科大学院卒業生の70%を合格させて法曹人口の拡充と質の維持を目的として
2004年に鳴り物入りで導入された【新・司法試験】
法曹人口拡充の為に法科大学院(ロースクール)を設置し、
その結果としてどの様な事が起きているのか?
今の司法試験、法科大学院の実態を教えてもらいました。
まず顕著な変化として、法科大学院から社会人が消えたとのことでした。
法曹人口の拡大=司法試験に受かりやすい!
との誤解を生み、社会人を辞めて法科大学院へ入学した社会人が多かった、とのこと。
ところが蓋を開けてみると卒業生に対する合格者の割合は単年度で50%と低迷していることから、何回かの【新・司法試験】卒業生の結果を見て、一旗あげる社会人がいなくなったらしいのです。
法科大学院卒業後5年間で3回の受験制限があることから、
【大学卒業⇒法科大学院卒業⇒新司法試験不合格】の場合、
当該者はすでに30歳前後になります。その時点で無職の可能性もあるのです。
また、首尾良く合格出来たとしても今の時代は弁護士多難の時代。
司法修習を終えてもその後『就職活動』が待っているのです!
その上、法科大学院の学費は極めて高額ときています。
これでは恐くて法曹への道を目指す者は減る一方でしょうね。
法科大学院は文科省の管轄で、どんな大学でも法科大学院を作らせたのです。
過去の司法試験でひとりの合格者も出していない大学でもロースクールを設置しているのです。
反面、司法試験は法務省の管轄です。
法曹人口を増やす目的はあっても、そうそう簡単に合格レベルを下げるわけにはいかないのです。
結局、入り口を広くしたので必然的に出口が狭くなっただけのこと。
典型的な縦割り行政なんですね!
では結局、法科大学院を作ったことで誰が恩恵を受けたのか?
それは大学教授らしいのです。
大学教授の再就職先が確保されたと、もっぱら受験生の間では囁かれているそうです。
自分が法律家の道を目指していた時にこのような仕組みだとしたら、
果たして集中して勉強できる環境だったのか?と考えると…
総論賛成、各論反対の典型的な事例ですね。
みなさんはこの問題、どう思われるでしょうか?