セネカによる心の平静をたもつ方法

『精神はあらゆる外的なものから呼び戻され、自己へと立ち返らされねばならない』

(岩波文庫《生の短さについて 他二篇》所収《心の平静について》より抜粋、大西英文・訳、岩波書店、2010年)



セネカは、古代ローマの哲学者ですけれども、彼の思想を仏教的だという人々もいます。ローマ帝国のひとがインドの仏教を知っていたかどうかはわかりませんが、こころを落ち着かせることの重要さは、地域や時代にかかわらず、おなじ課題であるといえます。


その、セネカの著作である《心の平静について》という文章は、もともと、セネカの友人が彼に助言をもとめたことがきっかけとなって書かれたものです。


こころを自己に向けることができなくなると、のぞみどおりの生きかたをすることがむずかしくなってしまいます。


自己を意識するための対策として、セネカは、活動的な生のあいまに閑暇の生をまぜることを勧めています。社会のなかで忙しさ追われて、暇をつくることを避けてしまうならば、かえって、とるものも手につかなくなってしまいます。たとえ忙しいなかでも、外部の刺激から遠ざかる時間をつくって、こころを内省することによって、心身につりあいがとれるのです。


🔻参考文献