ブッダの《感興のことば》第二六章《安らぎ(ニルヴァーナ)》から



『健康は最高の利得であり、満足は最上の宝であり、信頼は最高の友であり、安らぎ(ニルヴァーナ)は最上の楽しみである』

(《ブッダの真理のことば 感興のことば》中村元・訳、岩波書店、1978年)


こころのありかたについて、ブッダの理想をよくあらわしている名文だと思います。

身体の健康とおなじように、精神も、安らぎという健康な状態をたもっていることがのぞましいとされます。ブッダが説く安らぎは、雑念や執着する気持ちを手放すことによって得ることができる、こころの静けさのことです。


もちろん、いつもこころが安らいでいるようにするためには、それこそ、お寺で修行をするなどする必要があるかもしれません。

しかし、そうではない方々も、安らぎを楽しむ時間をつくることはできると思います。


たとえば、いそがしくても、一日のうち10分くらいならば、よけいなことを考えないで自己を内観してみることができるならば、どうでしょうか。10分間とはいっても、あわただしくすごす10分間とくらべて、内観する10分間というのは、特別な時間のような感じがあります。いったん、自己の内面を観察することを試してみると、だんだんこころの動きが落ち着いて、感情の波がゆるやかになってきます。



🔻参考文献