ブッダによる迷いや執着を捨てるための考え方

『あたかも蛇が旧い皮を脱皮して捨てるようなものである』

(《ブッダのことば》中村元・訳、岩波書店、1958年)


仏典のうちでは基礎的なブッダの言行録である《スッタニパータ》は《蛇の章》からはじまります。《蛇の章》では、こころの迷いや執着を捨てることを、蛇の脱皮にたとえています。


ひとは、いやな経験をしたあとには、その経験を長いあいだ頭の中で反芻してしまうことがあります。


その一方で、われわれは、また、古い自己を捨てて、自己を更新することもできます。自己を更新する、ということは、ひとだけではなく、さまざまな生きものがもっている能力です。蛇さえも、脱皮することによって、あたらしい自己となります。


過去の自己を捨てることは難しいことですし、無理に忘れようとすれば、精神的にべつの問題が生じることもあります。


しかし、迷いや執着をずっと背負いつづけることによって自己を傷つけてしまうならば、そのような過去の有害なものを捨てる権利は、だれにでもあるはずです。



🔻参考文献