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・颯太、お前はどこから来た?

ちなみに、祐介は私自身、凪は例のあの人、といった感じでモデルがいるのですが、颯太にはモデルがいません。

いません。

本当に、いません。

最初からいた訳でもありません。

台本を書いていたら、なんかいました。


強いていうなら、例のあの人と結ばれた人、になるのかもしれません。

けど私は、その人をモデルにした覚えがないんです。

なんか、急に歌上手い誰にでも優しい陽キャが出てきました。


こいつは何なんだ。


そんなポッと出の颯太ですが、私は「祐介から凪を奪う役」にはしたくありませんでした。

そういうことをしたら分かりやすく、そして颯太にヘイトが向けられてしまうじゃないですか。


颯太は何も悪いことをしていない。

凪も、祐介もしていない。


そんな、人間関係の難しさ、もどかしさを描きたかったのもありますし、急に生まれた凄くいい子の颯太を悪役になんて、したくないじゃないですか。


そんな颯太は、物語の終盤では凪と付き合ったということが、祐介にも知られています。

それまでにも、祐介と颯太の違いはいくつか描写しています。


例えば、ラムネ瓶からビー玉を取り出したい凪に対する対応。

祐介は、なんとかしてビー玉を取り出そうとします。

「どうしたら取れるんだろう」と一緒に考えて、正面から向き合おうとする。

一方で颯太は、取れないという現状をすんなり受け入れて、流します。


もちろん、どちらが正解という話ではありません。

ただ、ここには二人の人との関わり方の違いが出ています。


祐介は、真正面から会話をして、相手の言葉を聞いて、自分の言葉を返すことでしか、凪との関わり方が分からない。

だから、凪との関係についても「自分たちはどういう関係なんだろう」と考えてしまう。

対して颯太は、会話だけではなく、雰囲気やその場の空気、相手との距離感みたいなものを自然に感じ取って、人と仲良くなっていく。

凪だけじゃなく、いろいろな人とそうやって関わることができる。


この違いが、二人の関係性にもそのまま表れているのかなと思っています。


祐介は「凪との関係」に意味を求める。

颯太は、そこまで意味を求めずに凪と一緒にいる。

だからこそ、祐介から見れば、颯太は自分にはできないことを、いとも簡単にやっているように見えたんじゃないかな、と。


そして、だからといって颯太が特別に優れているわけでも、祐介が劣っているわけでもない。

ただ、人との距離の取り方が違った。

その違いが、あの夏の二人の結果を分けたのかなと思っています。



ちなみに私は、颯太みたいな人間を書く予定は一切ありませんでした。
どうしてこうなった。

でも、結果的にこの作品には必要な人だったと思います。


……ありがとう、颯太。

ところでお前、本当にどこから来たんだ?



・祐介をどこまで苦しめるか?

文章だけ見たら、とんでもない悪魔ですね。

前述にもある通り、祐介には私の実体験が元になっている物語を歩んでもらっています。

そこで出てくる問題は、本当に祐介を私と同じくらい苦しい目に遭わせるのか?ということです。


別にそこまでしなくたっていいんじゃないか。

そう思った結果、心にズンと重たい苦しみを与え、物語を締めるという選択を取りました。


特に花火大会終わりの、凪との会話。

祐介は、告白をしようとした訳ではありません。

そのような予定も、祐介にはありませんでした。


ただ、空気に当てられた。

この楽しい時間が終わるのが嫌だった。

何かを伝えなきゃ、このまま終わってしまう気がした。

それで凪を呼び止めたはいいものの、「好き」なんて祐介の中では決めきれていない。

そんな状態で、無責任なことは言いたくない。

かと言って、じゃあ他に何を伝えるのか。



そうやって考えた結果、祐介が絞り出したのが、


「……なんでもない」


でした。



……とっても、苦しいですね。(歓喜)



それを受けた凪のセリフ、覚えていますか?


「朝倉は、大切な友達だから」


祐介は、告白をしようとしたことがバレて、先制されたと思ってしまっています。

けれど、凪はそんなつもりではありません。

心の底から、朝倉は大事な友達だと思っている。

これからも仲良くしたいと思っている。

ただ、それだけなんです。




なんか、また文字数が足りませんね。

気が向いたら、続きもぜひご覧ください。