東西、東西〜!

 ………って、文字にするとなんだか変ですね。これは「東西声」と言って、歌舞伎や人形浄瑠璃や落語なんかの前に、始まりの合図として「とざい!とーざい!」とかける言葉です。私は、この声を聞くとワクワクします。仮名手本忠臣蔵とか、新作歌舞伎とか、格式ばった通し狂言の時とかによく使われるからです。

 

 あ、申し遅れました。お久しぶりです。2023年度冬公演『祭宵闇』にて脚本・演出を務めております。劇団深夜特急のあおです。

「あれ?おま、卒公のブログで反復横跳びしてなかった?」

「あれ?おま、卒業するんと違うん?」

 と、思われた方もございましょう。えぇそうです。私はつい先日、同期との卒業公演を終えました。が、しかし、私は今、冬公演の成功のために粉骨砕身の努力を重ね、寿命をゴリゴリ削りながら色んなことをしています。なぜこんなことになったのか。それはここで書くことではないし、後輩のブログにも書かれていたように記憶しているので、気になる人は遡って見てください。


 さて、千秋楽です。なぜ、興行の最終を「千秋楽」と言うのか。諸説ありますが、私は『高砂』の「千秋楽は民を撫ず〜」という一節が由来とする説が好きです。『高砂』は結婚式とかで聞く「高砂や〜」の『高砂』で、能の演目の1つです。基本的に悲劇が多い能ですが、附祝言(つけしゅうげん)だけは別です。附祝言は能の最後に「この公演は終了しました」ってのを示すために地謡が謡うおめでたい謡のことです。その代表が『高砂』で、だから「千秋楽」と、こういうわけです。

 最後に謡われるおめでたい謡が「千秋楽」

 だから、千秋楽ってのはおめでたいんです。とってもおめでたいんです。がむしゃらに頑張って来た毎日が終わる寂しさもありますし、次の日からの毎日が少しだけ退屈になりそうな予感もします。それでも、自分の全てを込めた作品が完結するその日はきっと、おめでたいんです。冬公演は今日、千秋楽を迎えます。


 予約制、と歌っていますが、当日の飛び込み観劇も大歓迎です。土曜なのに暇だなぁ…どうしようかなぁ……と、思っているそこのあなた。滋賀県立大学交流センターホールで『祭宵闇』をどうでしょうか?






    

↓↓↓公演情報↓↓↓

劇団ƵERO&劇団深夜特急

2023年度冬公演

『祭宵闇』

@滋賀県立大学交流センターホール

2月16(金) 

13:30〜/17:00〜

2月17日(土)

13:30〜/17:00〜

開場は開演30分前